Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 工学基礎
画像化技術① 

(S486)

針シャフト強調技術〜Simple Needle Visualization〜

Needle Enhancement Technology ; Simple Needle Visualization

武田 義浩, 高木 一也, 色摩 譲, 堀内 亮, 佐々木 頂之, 赤羽 睦弘, 細川 勝美, 小笠原 正文

Yoshihiro TAKEDA, Kazuya TAKAGI, Jo SHIKAMA, Makoto HORIUCHI, Takayuki SASAKI, Mutsuhiro AKAHANE, Katsumi HOSOKAWA, Masafumi OGASAHARA

コニカミノルタ株式会社ヘルスケアカンパニー超音波事業推進部

Ultrasound Business Unit Healthcare Company, Konica Minolta Corporation

キーワード :

【背景】
近年,整形や麻酔分野で穿刺を行う上で安全性・確実性の観点から超音波ガイド下による施術が推奨されている.しかし,生体内に存在する穿刺針は組織との音響特性の違いからBモード画像上での視認性が十分でないという課題がある.これに対し,過去に我々は針先端で生じる低指向性散乱波の動きを強調することでステアリング可能な角度を超えた同一平面法で針先端を容易に確認できる穿刺針強調機能Simple Needle Visualization(以下SNV)を開発し,SONIMAGE HS1に搭載した.
【課題】
超音波ガイド下の穿刺ではプローブの動きや体動のような様々な要因によりBモード画像中から穿刺針を見失う状況が発生する.その場合,術者はプローブを操作して生体内の穿刺針を探すため,従来のSNVではBモード画像全体に穿刺針以外の動きによるアーチファクトが生じ,穿刺針の視認性が不十分な場合があった.
【方法】
今回我々は,Bモード画像内に穿刺針が存在する場合に針シャフト部の強い反射によって生じる針シャフト下の音響陰影をBモード画像から認識し,針シャフト部を抽出して強調することでプローブ操作時であっても穿刺針の視認性を改善できる針シャフト強調技術を開発した.
【結果】
図は術前の超音波ガイド下麻酔時に針シャフト強調技術を適用した例である.通常術者が観察するBモード画像では穿刺針は不明瞭であるが,本技術の適用により針シャフト部を明瞭に確認できた.
【結語】
針シャフト強調技術は同一平面法における穿刺角度への依存が小さい音響陰影を用いており,ステアリング法では困難な穿刺角度でも適用可能である.さらに従来の動き強調を基本としたSNVと合わせて用いることで同一平面法における穿刺針をより明瞭に確認できるようになり,施術精度やワークフローの向上に貢献できる可能性がある.