Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 工学基礎
画像評価 

(S481)

検査者の負担を考慮した超音波検査室の照明条件に関する検討

Research on lighting environment of sonographers

鈴木 一弥1, 茂木 伸之1, 鈴木 浩之2, 酒井 一博1, 森 秀明3, 谷口 信行4

Kazuya SUZUKI1, Nobuyuki MOTEGI1, Hiroyuki SUZUKI2, Kazuhiro SAKAI1, Hideaki MORI3, Nobuyuki TANIGUCHI4

1公益財団法人労働科学研究所研究部, 2日立アロカメディカル株式会社技術統括本部デザイン室, 3杏林大学医学部第三内科学, 4自治医科大学医学部臨床検査医学

1Research Division, The Institute for Science of Labor, 2Design Section, Hitachi Aloka Medical, Ltd., 3The Third Department of Internal Medicine, Kyorin University, 4Cinical Laboratory Medicine, Jichi Medical University

キーワード :

【はじめに】
超音波検査室では,被検査者への配慮とともに,検査者が適切な検査を能率的かつ快適に実施でき,被検査者,検査者双方にとって負担とならない条件を備えることが望ましい.検査者にとって良好な検査室の照明に関しては,超音波画像の視認性に配慮し,検査者,被検査者双方の動作や付随する作業の安全に配慮し,検査者の眼の負担と疲労にも配慮することが望ましい.本報告では,超音波検査室やブースの適切な照明条件に関する検討をおこなう.
【研究の方法】
1)実態の把握
超音波検査室の照明に関する検査者の意見や要望について,アンケート,ヒアリングによってこれまでに把握した状況をまとめた.
2)超音波画像の平均輝度に基づく検討
超音波検査に携わる技師が撮影した腹部,心臓の画像の分析を行い,その輝度(最大輝度に対する比率)を求めた.モニター画面の明るさ(平均輝度)と周囲の明るさ(壁の反射輝度)の差が一定範囲内にとどまることを適切な照明の条件とする視点から,適切な照明の照度がどの程度であるかを推定した.
3)視認性の検討
ディスプレイに表示された視覚パターンの視認性は,表示の輝度レベル,ディスプレイの発光性能,照明の画面での反射,グレアの有無等の多数の要因が影響する.輝度レベルが低く,コントラストが低い視覚パターンについて,照度が視認性にどの程度の影響を及ぼすかに関する若干の検討をおこなった.
【まとめ】
・超音波検査者が安全かつ快適に実施されるために,検査ブースごとの照明の調節・最適化がなされることが望まれる.
・精密な視認作業を長時間行う超音波検査では,調光,間接照明などの設備の充実が望まれる.
・検査室の照明の良否については各検査室における様々な条件や検査内容に影響されるので,照明の改善に関する知識やこれまでの改善事例の情報が検査者・管理者に普及・共有され,グレア対策などの改善の施設ごとの実施を促進することが重要である.