Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 工学基礎
画像評価 

(S479)

超音波画像を基にした舌運動の再現

Representation of Tongue Movement based on Ultrasonic Images

近藤 貴大1, 向井 信彦1, 森 紀美江2, 武井 良子2, 山田 紘子2

Takahiro KONDO1, Nobuhiko MUKAI1, Kimie MORI2, Yoshiko TAKEI2, Hiroko YAMADA2

1東京都市大学大学院情報工学, 2昭和大学歯科病院口腔リハビリテーション科

1Information Engineering, Graduate School, Tokyo City University, 2Oral Rehabilitation, Showa University Dental Hospital

キーワード :

【目的】
構音時の舌運動解明を行うために用いている,超音波診断装置で撮像された画像は2次元であるため,舌の3次元的な動きは把握できない.そこで,2次元の超音波診断画像から画像処理手法を用いて半自動により舌表面を抽出し,抽出された2次元の舌表面を奥行方向に並べ,さらに時系列に従って補間することにより,舌の3次元的な動きを再現したので手法と結果について報告する.
【手法】
舌の前額断面画像を基にノイズ除去,および2値化後,舌表面の特徴点を半自動で抽出し,抽出された点を基にスプライン曲線で補間する.次に,スプライン曲線で補間された舌表面上に対して等間隔の格子点を設定し,スプライン曲線を奥行方向に並べて補間することでスプライン曲面を生成する.さらに,構築された3次元の舌表面を時系列に補間することにより,舌の動きを再現する.
【結果】
母音「あ」から「い」へ変化する画像に対して提案手法を適用し,舌表面の動きを再現した.なお,超音波画像診断装置で撮像された画像は4フレーム/秒であった.本研究はほぼ自動化されているが,超音波画像はノイズが多いため2値化のしきい値設定は現在手動で行っている.また,超音波診断装置では撮像されない前額断面画像が存在するため,舌表面全ての領域が再現されるわけではない.
【結論】
本手法で再現された舌表面の3次元運動を用いることで,構音時における舌の動態解明や,言語障害患者への診断,さらには,リハビリへの応用が期待できる.