Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

一般口演 工学基礎
治療・生体作用 

(S473)

アンプ内蔵超小型集束超音波治療モジュールの開発

High power direct drive transducer module for ultrasound therapy

豊田 晋伍1, 2, 葭仲 潔2, 竹内 秀樹2, 3, 東 隆3, 佐々木 明3, 高木 周3, 水原 和行1, 松本 洋一郎3

Shingo TOYODA1, 2, Kiyoshi YOSHINAKA2, Hideki TAKEUTI2, 3, Takashi AZUMA3, Akira SASAKI3, Shu TAKAGI3, Kazuyuki MIZUHARA1, Yoichiro MATSUMOTO3

1東京電機大学大学院機械工学専攻, 2独立行政法人産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 3東京大学バイオエンジニアリング専攻

1Dept. of Mechanical Eng, Tokyo Denki Univ, 2Human Technology Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology(AIST), 3The University of Tokyo, Dept. of Bioengineering

キーワード :

【はじめに】
HIFU(High Intensity Focused Ultrasound::高密度焦点式超音波)治療において位相制御による体内での焦点位置制御の重要性からトランスデューサーの多素子化を進めている.しかし,現状の一体成型(単板振動子をカッティング,あるいはコンポジット材料を敷き詰め形成)のトランスデューサーでは設計製造に2〜4か月を要し,また素子に不良が出た際,不良素子のみの修理やメンテナンスが困難であるといった問題がある.
そこでトランスデューサーシステムのモジュール化を行うことによって,前述のような問題の解決を図った.おおよそ親指大の大きさのモジュールに多素子トランスデューサー(4ch〜16ch程度)とハイパワーアンプを内蔵したものを想定しており,これらのモジュールを複数配置する事により,例えば数百ch〜数千chの多素子HIFUトランスデューサーを構成する.モジュール化によって素子配置やチャンネル数の自由度の向上及び設計開発期間の短縮,また不良素子モジュールごとの交換が可能なためメンテナンス性の向上が実現することが期待されている.一方で,トランスデューサーの多素子化に伴ってアンプおよびケーブルが肥大化することへの対策が求められている.そこでアンプからのケーブルを無くし,素子の裏面に直接アンプを配置することにより無駄な消費電力を抑え小型化を実現する.本提案はこれらの方法によって非常に効率の良いアンプ一体型超小型トランスデューサーモジュールの試作を目的とした.
【方法】
1基板あたり16chのアンプ基板を試作し,これを4枚スタックすることによって,64chのマトリックスアレイトランスデューサー(8×8)を製作する方式を検討した.素子は正方形で素子間の隙間は0.2mm,素子ピッチは2mmとし.駆動周波数は2MHzとした.またアンプへ遅延量パラメータなどを送信するパルスジェネレータはIPアドレス割り振りによって同期複数台駆動が可能となっている.
今回はアンプ内蔵超小型集束超音波治療モジュールを組み上げ計測を行った.
【結果】
計測の結果,音圧の出力および,電力の上昇に対する音圧の上昇を確認できた.また位相制御による焦点の形成および焦点位置の制御ができることが確認できた.