Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

ワークショップポスター
血管 臨床の現場から見た血管エコーガイドラインの役割と課題 頸動脈エコー領域

(S462)

頸動脈超音波検査における各計測値−健常例での検討−

Ultrasonographic Measurments of Carotid Artery in the Normal Adult Population

石川 麻衣子1, 小林 伸子1, 堀江 一夫1, 田山 順一1, 中村 浩司1, 小田倉 章2, 平沼 ゆり3, 小野 幸雄3, 内藤 隆志3

Maiko ISHIKAWA1, Nobuko KOBAYASHI1, Kazuo HORIE1, Junichi TAYAMA1, Kouji NAKAMURA1, Akira ODAKURA2, Yuri HIRANUMA3, Yukio ONO3, Takashi NAITOU3

1公益財団法人筑波メディカルセンターつくば総合健診センター健診検査科, 2公益財団法人筑波メディカルセンターつくば総合健診センター健診事業部, 3公益財団法人筑波メディカルセンターつくば総合健診センター診療部

1Physical Examination, Public Interest Incorporated Foundation Tsukuba Medical Center Total Health Evaluation Center Tsukuba, 2Division, Public Interest Incorporated Foundation Tsukuba Medical Center Total Health Evaluation Center Tsukuba, 3Clinical Department, Public Interest Incorporated Foundation Tsukuba Medical Center Total Health Evaluation Center Tsukuba

キーワード :

【目的】
頸動脈超音波検査の評価法は,日本超音波医学会,脳神経超音波学会のガイドラインおよび早期動脈硬化研究会で公表されているが,統一された基準ではなく,また日本人の基準値の詳細な報告もない.当施設では,人間ドックのオプション検査と脳ドックの項目として,年間約2,800例の頸動脈超音波検査を実施している.今回,当施設の健常者における頸動脈超音波検査の計測値について,性,年代別に検討したので報告する.
【対象】
2009年4月〜2014年4月にドックにて頸動脈超音波検査を施行した13,927例のうち,諸条件を満たす健常者1,725例(男性601例,女性1,124例,年齢52.8±11.4歳,21〜83歳).
【方法】
使用機器:日立アロカ社製 プロサウンドα5,プロサウンドα7.探触子UST-5411 中心周波数10MHz.計測項目:長軸断面で球部から中枢側に1cmの部位1ポイントの両側総頸動脈(CCA)径と内膜厚(IMT),内頸動脈(ICA)径,両側CCAからICAの最大内膜厚(maxIMT).各計測値について,年齢,性別,左右の関係について検討した.
【結果】
(1)性別年代別の各計測値の4分位値は表のとおりであった.(2)男女とも,CCA径,ICA径は加齢に伴い拡大傾向であり,CCA径は右>左,ICA径は左>右が有意に高値であった.(3)IMTと年齢の関係ではIMT=0.007×Age+0.2という関係式が導き出された.
【まとめ】
各年代における当施設でのIMTのデータは,早期動脈硬化研究会のCCAmaxIMTの年代別基準値の範囲内であった.また,導き出された関係式はyamazakiらの式(IMT=0.008×Age+0.3(3<Age<80yr))と近似的なものであった.
健常者におけるmaxIMTは,男女とも50代以降は,50パーセンタイル値が現在のプラークの基準値とされている1.1 mmを超える結果となった.