佐藤 如雄¹, 出雲 昌樹¹, 鈴木 健吾¹, 大滝 英二¹, 信岡 祐彦², 明石 嘉浩¹

Yukio SATO¹, Masaki IZUMO¹, Kengo SUZUKI¹, Eiji OHTAKI¹, Sachihiko NOBUOKA², Yoshihiro AKASHI¹

¹聖マリアンナ医科大学循環器内科, ²聖マリアンナ医科大学臨床検査医学教室

¹Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, St. Marianna University School of Medicine, ²Department of Laboratory Medicine, St. Marianna University School of Medicine

キーワード :

症例は85歳女性，消化管穿孔術前に心雑音精査の為，心臓超音波検査が依頼された．心臓超音波検査では左室駆出率は保たれていたが，僧帽弁尖収縮期異常前方運動（systolic anterior motion of the mitral valve: SAM）及び最高血流速度3.3m/sの左室流出路狭窄の他，SAMによる僧帽弁閉鎖不全症に加え，僧帽弁輪石灰化及び後尖の硬化性変化による僧帽弁閉鎖不全症も合併し，僧帽弁閉鎖不全症の定量・定性評価に難渋し，最終的には視覚的評価及び間接所見により重症と診断した．今回我々は僧帽弁閉鎖不全症重症度評価に難渋した一例を経験したため，呈示する．