笠本 学¹, 谷 知子¹, 角田 敏明², 北井 豪¹, 金 基泰¹, 川井 順一², 紺田 利子², 藤井 洋子², 三羽 えり子², 古川 裕¹

Manabu KASAMOTO¹, Tomoko TANI¹, Toshiaki SUMIDA², Takeshi KITAI¹, Kite KIM¹, Junichi KAWAI², Toshiko KONDA², Yoko FUJII², Eriko MIWA², Yutaka FURUKAWA¹

¹神戸市立医療センター中央市民病院循環器内科, ²神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部

¹Department of Cardiovascular Medicine, Kobe City Medical Center General Hospital, ²Department of Clinical Laboratory, Kobe City Medical Center General Hospital

キーワード :

【背景】
左室収縮能評価としてmodified Simpson法は日常臨床でスタンダードである．またスペックルトラッキング法による心筋ストレインは局所機能の評価および心筋全体の評価が可能である．しかし画像依存性や再現性などの問題点も認めている．
【目的】
今回modifed Simpson法による左室駆出率Ejection fraction（EF）および2Dトラッキング法による長軸方向ストレイン解析（global longitudinal strain : GLS）との比較検討をおこなった．
【方法】
対象は42歳女性，乳がん治療のためトラスツズマブによる化学療法をうけており，心エコー図検査にて心機能の経過観察をおこなっている．使用機種はARTIDA（Toshiba）であり，心エコー図検査にてmodified Simpson法によるEF（％），心尖部長軸断面像・二腔断面像および四腔断面像における各々のGLS（％）および各GLSの平均値（％）を算出した．
【結果】
結果を図に示す．GLSは各断面を6分割し，各々のstrain値を求めた．Figureにおける数値はマイナス値（％）を示す．
各断面のGLSおよび平均値とEFとの相関は当症例においてはみられなかった．
【結論】
GLSは必ずしもEFとの相関はなく，今後症例を重ねて検討する必要性があると考えられる．