Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

ワークショップポスター
循環器 視覚的・パターン評価と定量的評価,どっちが役立つ? 左室の全体機能評価は修正シンプソンでEF? ビジュアルでEF? グローバルストレイン? それとも?

(S424)

グローバルストレインの心機能評価指標としての臨床的有用性

Clinical significance of global longitudinal strain as a cardiac functional parameter

大西 哲存

Tetsuari ONISHI

兵庫県立姫路循環器病センター循環器内科

Cardiology, Himeji Cardiovascular Center

キーワード :

修正シンプソン法で測定された左室駆出率(LVEF)は心機能指標として一般に広く用いられている.
しかしながら,多くの心不全に関する臨床研究でも明らかなように,心不全患者の半数前後はLVEFが保たれている.LVEFが保たれた心不全患者(HFpEF)が多く存在するということは,LVEFが心機能指標として不十分であることを示しているかもしれない.
近年,新たな心機能指標としてグローバルストレインが注目されている.グローバルストレインは局所ストレインの平均として算出され,左室壁心筋の長軸方向の収縮能を表す.肥大心や肥大型心筋症ではLVEFが保たれていても長軸方向のグローバルストレインは低下していることが知られており,HEpEFの層別化に使用できそうである.
LVEFが保たれていない心不全患者(HFrEF)においても,グローバルストレインがLVEFよりも患者の予後に影響を与えているという報告があり,近い将来グローバルストレインに基づいた心不全診断が行われる可能性もある.
今回,我々は虚血性心筋症例および非虚血性心筋症例において,グローバルストレインが心機能指標として有用であることを示し,日常臨床での測定をおこなうきっかけとしたい.