英文誌(2004-)
特別プログラム 血管
ワークショップ 血管2 臨床の現場から見た血管エコーガイドラインの役割と課題
(S389)
深部静脈血栓症
Validation and role of guidelines of vascular echo for deep vein thrombosis on clinical frontline
西上 和宏
Kazuhiro NISHIGAMI
済生会熊本病院集中治療室
Critical Care and Cardiology, Saiseikai Kumamoto Hospital
キーワード :
【目的】
日本超音波医学会より提示されている「下肢深部静脈血栓症の標準的超音波診断法」の役割と課題について,臨床現場の観点から検討すること.
【方法】
他のガイドラインとの比較,圧迫法,カラードプラ法およびパルスドプラ法の現状評価を行った.
【結果】
2014 ESC Guidelines on the diagnosis and management of acute pulmonary embolism及び2010 AIU Practice Guideline for the Performance of Peripheral Venous Ultrasound Examinationsとの比較を行った.本ガイドラインでは推奨度およびエビデンスレベルの検証が不十分であった.圧迫法は唯一の評価法として,クラス1の推奨でエビデンスレベルBであった.腸骨静脈領域はカラードプラによる評価が臨床の現場では必要となるが,検証された文献はなかった.パルスドプラ法は感度と特異度で劣っていると報告されていた.
【結論】
本学会で作成するガイドラインでも推奨度およびエビデンスレベルの言及は必要と考えられた.カラードプラ法は臨床の現場で必要な方法であり,感度および特異度の検証作業が必要と思われた.