Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別プログラム 血管
ワークショップ 血管2 臨床の現場から見た血管エコーガイドラインの役割と課題

(S388)

臨床の現場から見た血管エコーガイドラインの役割と課題

The role and problem of the guidelines of vascular ultrasonography form the point of clinical practice

古井 英介1, 板橋 亮1, 矢澤 由加子1, 川田 健太1, 重畠 裕也1, 藤原 悟2

Eisuke FURUI1, Ryo ITABASHI1, Yukako YAZAWA1, Kenta KAWATA1, Yuya SHIGEHATAKE1, Satoru FUJIWARA2

1広南病院脳血管内科, 2広南病院脳神経外科

1Department of Stroke Neurology, Kohnan Hospital, 2Department of Neurosurgery, Kohnan Hospital

キーワード :

本学会において頸動脈,下肢静脈,大動脈・下肢動脈,腎動脈における血管エコーガイドラインが作成されており,現在,改訂作業が進行中のものもある.
優れた技術は利用される分野を選ばないことの現れで,超音波は多くの血管検査に利用されており,動脈硬化性疾患,静脈血栓塞栓症の増加に伴って,今後も血管エコーガイドラインの重要性は増していくと考えられる.動脈硬化性疾患に限定しても,血管エコーはその初期から病変が進行した段階まで,連続的に評価出来るメリットがある.しかし,血管エコーガイドラインが実臨床の現場において十分活かされているのか,問題点はないのか,などは検討すべき課題である.
誰が,誰に対して,何のために,いつ,どのように利用するかで,血管エコーガイドラインに求められる内容は当然変わってくる.施設の特徴により対象とする被検者は大きく異なり,例えば人間ドックと術前検査では,血管エコーに求められる情報・得られる結果とも大きく異なる事が予想される.多方面からの要望に対応しようとすると,それほど重要でない記載も含まれやたらと冗長になる危険性が高まる.私見であるが,血管エコーガイドラインの一番の目的は,共通の物差しとなる標準化された評価基準を提示すことにあると考える.これにより他施設との比較,あるいは多施設での共同研究が可能となる.必ずしも各施設の独自の評価法を制限するものではないが,各施設が各々独自の評価法しか行わなければ,医療の標準化の流れからも,デメリットである.
ポスター演題で応募された腎動脈および頚動脈を主体に,また現在改訂作業中の頸動脈エコーのガイドラインに触れつつ,血管エコーガイドラインの役割と課題につて述べる予定である.