英文誌(2004-)
特別プログラム 乳腺甲状腺
パネルディスカッション 乳腺甲状腺2 B-modeのみでは判定困難な甲状腺疾患-血流情報とエラストの臨床応用-(JABTSとの共同企画)
(S348)
甲状腺腫瘍に対するドプラ法,エラストグラフィを併用した超音波診断の実際
Our procedure of ultrasound diagnosis using Doppler ultrasound and elastgraphy for the thyroid nodule
福島 俊彦, 鈴木 眞一
Toshihiko FUKUSHIMA, Shiichi SUZUKI
福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座
Department of Thyroid-Endocrinology, Fukushima Medical University
キーワード :
甲状腺の超音波診断はB-mode画像が基本となるが,まだ十分でない部分をドプラ法やエラストグラフィが補完している.本シンポジウムではBモードとエラストグラフィの使い分けにつき述べる.
1) ドプラ法
血流分布を辺縁にのみのもの「辺縁型」,腫瘤内部に認めるものを「内部型」辺縁,内部両者に認めるものを「混合型」とした.悪性で内部型が有意に多く,また良性では混合型が有意に多かった.
2) エラストグラフィ
Bモードとの組み合わせ診断では明らかにエラストを組み合わせることで診断率が上昇した.特に濾胞癌の鑑別に有用であった.AFTNと濾胞癌を鑑別する場合に,ドプラエコーでの血流分布より,エラストグラフィでの鑑別がより有用であった.むしろ,ドプラエコーで血流豊富な結節の鑑別にエラストグラフィが有用であった.
多結節の場合,dominant noduleをFNAC等の精査に推奨されるが,その際にはエラストグラフィでの評価が有用であった.
【結論】
ドプラ法,エラストグラフィは甲状腺結節の診断には必須ととらえ,その特性を考慮しながら組み合わせて使用することでその有用性が向上するものと思われた.