沖本 直輝, 宮原 友里, 植田 麻衣子, 片山 陽介, 松岡 敬典, 浅野 令子, 関野 和, 上野 尚子, 石田 理, 児玉 順一

Naoki OKIMOTO, Yuri MIYAHARA, Maiko UEDA, Yosuke KATAYAMA, Takanori MATSUOKA, Reiko ASANO, Madoka SEKINO, Naoko UENO, Makoto ISHIDA, Junichi KODAMA

広島市立広島市民病院産婦人科

Department of Obstetrics & Gynecology, Hiroshima City Hiroshima Citizens Hospital

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胎児心エコー検査ガイドラインにおいて胎児心精査レベルⅠでの流出路観察は四腔断面から頭側に平行移動させる方法，あるいは胎児頭側へ傾ける方法が示されている．いずれの方法であっても正しく評価できれば心エコースクリーニングとしては問題ないと考えられている．
当院では妊娠20週前後に妊婦全例に胎児超音波スクリーニング検査を行っている．検者は超音波検査に習熟した医師の他に研修医も含まれている．
検査項目はチェックリスト化しており，頭部から四肢までと𦜝帯，胎盤の正常，異常の有無，確認できなかった項目を記載するようにしている．
心臓に関しては心拡大の有無のほか，四腔断面像の所見，流出路の所見，肺静脈還流の有無，胸水，心嚢液の有無について確認することにしている．
流出路観察は3vessel viewの観察をまず行うこととしているが，研修医が観察している際断面の描出のみに集中してしまい，血管流出路の位置関係をうまく確認できていないことがある．当科では流出路観察する際には大血管の位置関係が正常であることを確認するためには交差する両大血管を連続的に観察するように研修医に指導している．また胎位の関係で3vessel viewの観察が困難な際でも左室流出路，右室流出路は描出できることも多く，両者をうまく使い分ける必要があると思われる．
また左室右室流出路断面の描出に習熟していけば，大血管転位症や両大血管右室起始症，ファロー四徴症などの流出路に異常を来す心構造異常の診断もできるようになると思われる．