Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別プログラム 消化器
パネルディスカッション 消化器3 適切なRFAのsafety marginとは?

(S286)

HCCに対するRFAにおける適切な焼灼マージンーVFIを用いた前向き検討の結果から

Appropriate ablative margin of radiofrequency ablation for hepatocellular carcinoma according to volume fusion imaging; a prospective study

大川 和良, 榊原 充, 今中 和穗

Kazuyoshi OHKAWA, Mitsuru SAKAKIBARA, Kazuho IMANAKA

大阪府立成人病センター肝胆膵内科

Department of Hepatobiliary and Pancreatic Oncology, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Diseases

キーワード :

【はじめに】
我々は,肝細胞癌(HCC)に対してラジオ波焼灼療法(RFA)を施行した症例の後向き検討において,治療療前後のCT/MRIを三次元的に重ね合わせたvolume fusion imaging(VFI)を用いた360度方向からの焼灼マージンの評価が,治療後の病変の局所制御と密接に相関することを報告してきた(Am J Roentgenol 2014: 202: W487).
【目的】
本研究ではHCCに対してRFAを施行し,VFIを用いて焼灼マージンを評価した症例を前向きに検討し,RFAにおける適切な焼灼マージンを検証した.
【方法】
2011年7月から2013年11月までのRFAを施行した117症例(年齢71.1±7.3歳,男性/女性85/32),193病変(大きさ14.8±4.9 mm,単発/多発91/102,多血性/乏血性172/21)を対象として前向きに検討した.局所再発が見られた場合,もしくは肝内に多発異所再発が認められてその後の局所再発の検討が困難と考えられた場合,観察終了とした(平均観察期間は16.9±10.3月).VFIは既報のごとくRFA前後のCT/MRIから汎用softwareを用いて作成し,腫瘍残存を認めるRvf0,一部にマージンを有さないRvf1(隣接血管のためマージンがとれない場合はRvf1’),マージン5 mm以内の部分のあるRvf2,全周性に5 mm以上のマージンを有するRvf3に分類した.焼灼マージン不足で追加RFAを行う際に,一部の症例ではVFIにて詳細に同定した追加焼灼予定部位中央にマーキングを施行し,初回RFA焼灼部位を造影超音波にて描出し,仮装超音波(RVS)下にマーキングを行った追加焼灼予定部位に正確にRFAを施行する方法を用いた.
【結果】
局所再発はRvf0 2/10(20%),Rvf1 7/28(25%),Rvf1’ 10/69(14%),Rvf2 5/64(8%),Rvf3 1/22(5%)と治療マージンが十分なほど局所再発は低頻度であった.Rvf1’,2,3を焼灼十分群,Rvf0,1を不十分群とした場合,累積局所再発率は焼灼十分群で1年7%,2年13%,不十分群で1年23%,2年26%と前者で有意に低率であった(p=0.017).腫瘍のvascularityと焼灼マージンの関係については,Rvf2以上の焼灼が得られたのは多血性病変では47%(81/172),乏血性病変では24%(5/21)と後者で低い傾向であったが(p=0.061),両者の間に累積局所再発率に差は認めなかった.またVFI,RVS,造影USを組み合わせた新しい画像支援法は,正確な追加RFAを行う上で有用な方法であった.
【結語】
HCCに対するRFAではVFIでRVf1’以上の焼灼マージンが最低限必要と思われた.また多血性,乏血性病変で特に治療方針を変更する必要性はないと思われた.さらにVFIは追加RFAの際にも有効な画像支援法であった.