Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別プログラム 消化器
パネルディスカッション 消化器2 びまん性肝疾患の超音波診断

(S281)

C型慢性肝疾患におけるFibroScanとReal-time tissue elastographyの臨床的有用性

Usefulness of Transient elastography and Real-time tissue elastography in chronic hepatitis C

森川 浩安

Hiroyasu MORIKAWA

大阪市立大学先端予防医療学

Department of Prmier Preventive Medicine, Osaka City University

キーワード :

【目的】
我々は以前より,Shear wave imagingであるFibroScan; FSとStrain imagingのReal-time tissue elastography; RTEによる非侵襲的な肝線維化診断を施行している.また,既に両検査が肝線維化診断に有用であることを報告している[1. 2].今回,肝臓における硬さの診断の役割について,エラストグラフィ導入時期とルーチン検査となった時期での違いを検討した.
【対象と方法】
I)導入時期(2007-9年)C型肝炎101症例(METAVIRスコア,F0が6例,F1が48例,F2が15例,F3が16例,F4が16例)を検討.FSはエコセンス社製初期型を,RTEは日立製EUB-8500を使用し,検査は同日に医師が施行した.II)ルーチン検査(2012-4年)C型肝炎171症例(METAVIRスコア,F0が7例,F1が75例,F2が53例,F3が18例,F4が18例)を検討.FSはエコセンス社製保険承認型を,RTEはアセンダスを使用し,検査は専任技師が施行した.RTE判定はI)Mean,II)LFindexを使用した.尚,肝生検と両検査は入院同時期に施行したが,一部F4症例は以前に診断した例も含めた.
【結果】
①検査不成功例はI)FS;5例,RTE;0例,II)FS;5例,RTE;8例であった.②F因子の群間比較では,I)では有意差をFS,RTEともに示したが,II)ではRTEにてF2/3群間で示さなかった(Tukey-Kramer test, p<0.05).③FS,RTE血液検査の相関を下図に示す.④F0/1線維化診断能は,I)FS;0.92,RTE0.89,II)FS;0.90,RTE;0.80,F4診断能は,I)FS;0.95,RTE0.91,II)FS;0.95,RTE;0.93であった.
【考察】
FSには一定数の不成功例が存在し,RTEも不成功と判断する症例が存在し,BMI高値が原因と考えられた.両検査ともに,機器や検査体制の移行に伴う,診断精度の大きな増悪は認められなった.RTEはLFindex使用にて,FSとの比較から血液検査との相関や線維化診断能の向上が示唆された.