Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別プログラム 消化器
シンポジウム 消化器4 腹部検(健)診判定マニュアル導入の壁vs導入事例 (消化器がん検診学会共同企画)

(S273)

院内電子カルテ化における腹部検診マニュアルを取り入れた院内基準の改定

Amendment of the ultrasonic diagnosis standard which took in abdomen medical checkup manual to the electronic health record introduction in a hospital

韮澤 澄恵2, 小川 眞広1, 森山 光彦1, 新井 行平2, 滝口 好子2, 杉本 朝子2, 渡邊 憲子2, 深澤 愛子2

Sumie NIRASAWA2, Masahiro OGAWA1, Mitsuhiko MORIYAMA1, Kouhei ARAI2, Yoshiko TAKIGUTI2, Asako SUGIMOTO2, Noriko WATANABE2, Aiko FUKAZAWA2

1日本大学病院消化器内科, 2日本大学病院臨床検査科

1Department of Gastroenterology, Nihon University Hospital, 2Clinical of Examination, Nihon University Hospital

キーワード :

【目的】
2014年に3学会共通で腹部検診判定マニュアルが発表された.これには検査条件,記録撮影断面の他に判定基準の均質化も含まれており,検査所見のカテゴリー分類も取り入れられている.早期に対応をするべきと考えられるが,既に各々が電子化されたシステムが存在し学会主体の方式に簡単に変更・統一するのが困難な状況である.しかし,電子機器は数年おきに更新のする必要があり,どこかのタイミングでは変更する機会に巡り会うことも予想される.そこで今回我々は,本学会のマニュアルを取り入れた撮影方法およびカテゴリー分類を反映した所見記入欄を作成したのでその効果を含めて報告をする.
【対象】
2014年10月から導入した電子カルテに付随する部門システムを超音波所見用に新設し院内の電子カルテからならどこでも入力できるシステムとした.
【方法】
超音波検査をスクリーニングにおいては25断面の順番を詳細に決定し所見が描出されない場合にもその画像を残すことにした.所見入力が終了するとカテゴリー分類および事後指導区分が自動入力可能なシステムとした.
【結果】
超音波所見からのカテゴリー分類の自動化は超音波所見の抜けを少なくし検査時の細かな観察をおこなうことに直結した.また,記録断面の固定化は専門医の二重読影を容易にし,検者の技能と患者条件の判定にも役立ち教育効果としても予想以上に高いものがあった.所見入力からのカテゴリー分類・事後指導判定の自動化は所見入力に集中する事のみで入力ミスを防ぐため有用であると考えられた.
【考察】
超音波検査の客観性を高めるためには撮影断面の指定のみではなく施設内では統一した撮影順番を含めた基準化をして初めて有効な二重読影が可能であると考えられた.また有所見に関しては1方向の動画保存をおこなうことでより再評価の際に有用であった.
【結論】
腹部検診マニュアルの導入は積極的に取り入れることにより客観性の向上さらには円滑な二重読影,超音波の技術教育にも有用であることが確認された.