英文誌(2004-)
特別プログラム 循環器
ワークショップ 循環器2 視覚的・パターン評価と定量的評価,どっちが役立つ?
(S254)
左室壁運動評価:現状そして未来
Assessment of LV regional function: current status and future perspectives
出雲 昌樹
Masaki IZUMO
聖マリアンナ医科大学循環器内科
Cardiology, St. Marianna University School of Medicine
キーワード :
心臓超音波検査において左室壁運動評価はルーチン評価項目の一つである.多くの施設はビジュアルによる定性評価が行われているものと察する.しかしながらビジュアル評価は曖昧かつ主観的な要素を含み,ある人が見れば壁運動低下があっても,ある人では認めない等,熟練度にも依存する.近年開発されたスペックルトラッキング法を用いたストレインは心筋の動きを定量化することができ,壁運動をビジュアルによる主観的評価から客観的評価へと画期的な変化をもたらしたと言える.しかしながら現在日常臨床において全ての症例にスペックルトラッキング法を用いて評価することは非現実的であり,本年改訂された左室壁運動評価に関するアメリカ心エコー図学会ガイドラインにおいても,ビジュアルによる評価が基本とされている.スペックルトラッキング法等の新技術が,日常臨床において従来のビジュアル評価をどのように補填していくのか,また今後の展望について考えていきたい.