Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別プログラム 循環器
シンポジウム 循環器1 心不全チーム医療のための心エコーの活用(心エコー図学会との共同企画)

(S238)

心不全チーム医療における心エコー活用の現状と課題

Current state and problems of clinical use of echocardiography in the team management for patients with heart failure

衣笠 良治, 杉原 志伸, 山田 健作, 松原 剛一, 加藤 雅彦, 山本 一博

Yoshiharu KINUGASA, Shinobu SUGIHARA, Kensaku YAMADA, Koichi MATSUBARA, Masashiko KATO, Kazuhiro YAMAMOTO

鳥取大学医学部病態情報内科学

Department of Molecular Medicine and Therapeutics, Division of Cardiovascular Medicine, Faculty of Medicine, Tottori University

キーワード :

近年,多職種による心不全チームの重要性が脚光をあびている.チームの構成員としては,医師,看護師,薬剤師,理学療法士,管理栄養士などがその主要なメンバーとしてあげられるが,検査技師(ソノグラファー)がチームの一員に入っている施設は少ないかもしれない.当院では,検査技師にもチームの一員に入ってもらい活躍してもらっている.
心不全診療における心エコーの役割ははかりしれない.的確な診断こそ適切な治療につながる.検査技師は客観的に第三者の目で評価することが求められ,医師の思い込みによる診断の間違いを正すことも多々ある.したがって,チームの中でも冷静,沈着な分析能力が強みである.心不全患者は再入院を繰り返すことが多いが,その原因のひとつにコントロールが不十分なままでの退院が原因であることが多々ある.心不全患者の退院前の心エコーによる評価は,再入院リスクが高い心不全患者の同定に有効であり,検査技師による評価が結果として再入院予防というアウトカム改善にも貢献できる可能性がある.
しかしながら,ただ所見をとりレポートに記載しただけでは生きた情報発信にはならない.臨床的に重要な情報の重みづけを意識しなければならない.そのためには,検査室でひきこもらず,積極的に臨床の現場におもむき何が求められているのかを学ぶ姿勢が必要である.また,医師も常に検査結果がどのように生かされるか,検査技師にフィードバックすることを意識しながら指導をこころがけ,互いにコミュニケーションをとっていくことがチーム医療として重要である.本セッションでは医師の立場からチーム医療における検査技師への期待と可能性について述べさせていただく.