Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別プログラム 領域横断
ワークショップ 領域横断 超音波ガイドラインのあり方を探る

(S214)

循環器超音波ガイドライン:継続的な改訂の必要性

Continuous Revision for Echocardiographic Guidelines

尾辻 豊

Yutaka OTSUJI

産業医科大学第2内科学

Second Department of Internal Medicine, Sangyo Medical School

キーワード :

超音波ガイドラインの目的は①どのような場合に(どのような症例でどのような時期に)検査を行うのか?すなわち検査の適応の標準化,②どのように検査を行うか?代表例は重症度評価の基準作成等で検査の標準化,③得られた検査結果をどのようにその後生かすか?診療の標準化と思われる.循環器領域においても変わらない.ガイドラインはこれまで変化し続けているし,今後も変化する.ガイドラインの改訂を必要とする要因は,①病気・症例の変化・②検査技術の変化・③治療の変化と思われる.日本における循環器領域超音波ガイドラインの代表は吉田 清班長による日本循環器学会JCS「循環器超音波検査の適応と判読ガイドライン(2010年改訂版)」であろう.2014年にAHA/ACCから出された弁膜症ガイドラインの比べると4年間で大きな変化が見られる.例えば僧帽弁膜症の重症度分類であるが,JCSでは弁膜機能による軽症・中等症・重症と分類しているが,AHA/ACCではステージ分類としてステージA:弁膜機能不全はないがリスクがある,ステージB:軽度・中等度の弁膜機能不全はあるが症状なし,ステージC:弁膜機能不全は重症であるが症状はない,ステージD:重症弁膜機能不全がり症状もある,というように重症度分類のコンセプトを変えている.これは,治療を「末期弁機能不全に対するインターベンション」から「末期インターベンションおよび予防」へとパラダイムシフトさせて行くという意思表示と思われる.そのほか①病気・症例の変化・②検査技術の変化・③治療の変化により現在の診療において十分ではなくなったJCS2010ガイドラインの要改訂点を発表し,参加者と現在のガイドラインの状況に対する認識を討議したい.