Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別プログラム 領域横断
パネルディスカッション 領域横断1 超音波検査におけるパニック値(像)(第40回日本超音波検査学会との共同企画)

(S201)

心エコーのパニック値について

Incidents of panic(to need emergency)in an echocardiography

水上 尚子1, 中村 幸美1, 大園 七瀬1, 野口 慶久1, 小林 沙織1, 湯之上 真吾1, 髙﨑 州亜2, 湯淺 敏典2, 木佐貫 彰3

Naoko MIZUKAMI1, Yukimi NAKAMURA1, Nanase OOZONO1, Yoshihisa NOGUCHI1, Saori KOBAYASHI1, Shingo YUNOUE1, Kunitsugu TAKASAKI2, Toshinori YUASA2, Akira KISANUKI3

1鹿児島大学病院臨床技術部検査部門, 2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心臓血管・高血圧内科, 3鹿児島大学医学部保健学科

1Clinical Laboratory, Kagoshima University Hospital, 2Cardiovascular Medicine and Hypertention, Kagoshima University Graduate School of Medical and Dental Science, 3Health Sciences, Kagoshima University Faculty of Medicine School

キーワード :

【はじめに】
超音波検査における技師と医師との関係は,検体系検査より深いと言えるが,それ故に,どのような所見を医師に直接連絡をするかについては,各施設あるいは検査者によっても異なることが多いと推察される.さらに検体系検査で広く認識されている患者の生命の危機,緊急治療を必要とする病態を示唆する検査値である「パニック値」についても,得られた所見をパニック値として捉える認識が検査者により温度差があり,検体系のような決まった基準として,明記していない施設が多いのが実情ではないかと考えられる.今回のシンポジウムにあたり,心エコー検査のパニック値としての超音波所見について,検査者間で統一した認識を持つという視点から考察してみた.
【緊急を要する病態に対する知識】
心エコーでパニック値となりうる病態については,なにが緊急を要する点となるのか,血行動態や治療,予後も含めて理解しておく必要があると考える.また緊急を要する病態はひとつではなく,複数が重なった状態であることも多い.それらを短時間で判断し,なるべく正確な情報を医師に報告するには,経験が必要であるが,学会,講習会などでの症例の学習も役に立つ.セッション内では,実例をいくつか提示したい.
【報告する際の留意点】
医師に緊急に報告する際には下記点に留意する必要があると考える.
1. 既知の病態かどうか?
検査目的やカルテの記載内容から,得られた所見が既知の病態かあるいは臨床側は認識していない病態なのか把握した上で,報告することは大変重要である.
2. 画像の参照
報告した所見については,必ず画像も確認してもらうことは重要である.検査室まで医師が出向かなくでも,画像を参照できる環境を整えることも,お互いの意思疎通,迅速な診断や治療につながると考える.
3. 患者の症状
超音波所見だけでなく,患者の症状や血圧,経皮的酸素飽和度,重要と思われる理学所見についても報告し,医師からの指示される,酸素投与の必要性や今後の患者処置の流れ,病態の変化についての注意点などについて理解し,対応できるよう,日ごろから準備しておく.
【患者の安全管理】
緊急の病態に遭遇した場合の医師への連絡の手順を文書でマニュアル化し,緊急時に使用する備品の設置場所や内容についても,検査室内で周知しておく.また,患者が緊急状態となった場合を想定して,定期的に対応方法を再認識する研修を行うことも重要と考える.
【おわりに】
超音波検査を含め,患者に直接対応して検査を行う生体検査では,検査結果のパニック値だけではなく,患者自身の様態についての緊急状態,ショック状態についての対応も学んでおくことは,患者安全管理のためにも重要と考える.