Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別企画 認定超音波検査士取得のための報告書等作成時のポイントと注意点(超音波検査士制度委員会主催)
血管 

(S173)

血管領域超音波検査報告書作成時の注意点

Advice about the report of vascular ultrasonic examination

松尾 汎

Hiroshi MATUO

医療法人松尾クリニック

President, MATSUO CLINIC

キーワード :

検査対象:抄録記載の注点意は,先ず,疾患に関する知識と経験が必要である.検査対象は,6群に分けて提示する.G−1頸動脈,2大動脈,3四肢動脈,4四肢静脈,5腎動脈,6その他とされ,各3例以上の提出が必要である.
G−1は,頸動脈病変(プラーク,狭窄など)を有する症例を含むこと.2は,大動脈瘤または大動脈解離のいずれかを含むこと.3は,閉塞性動脈疾患または末梢動脈瘤を含むこと.4は,深部静脈血栓症および下肢静脈瘤のいずれをも含むこと.5は,腎動脈狭窄例を含むこととして,症候などから検査したが異常所見無しであった症例を含めても可としているが,症例の経験は必須である.重複して提出されていた場合は減点となり,診断が誤っている例の提示は大幅な減点の対象となる.
「超音波検査所見欄」の記載:日本超音波医学会ホームページの「診断基準」の項を参照し,「超音波による頸動脈病変の標準的評価法」,「下肢深部静脈血栓症の標準的超音波診断法」,「超音波による大動脈・末梢動脈病変の標準的評価法」,「超音波による腎動脈の標準的評価法」に準じて記載することが必要である.また,血管超音波関連用語・事項に関して知っておくこと,病変部分だけを記載するのではなく,健側についても(たとえ異常がなくとも)記載することも必要である.所見欄には略語を多用しないようにして,PI,RI,IMTなど超音波用語集にある略語はよいが,一般的でない略語は最初に記載すること(例 プラークスコア:PS)が求められている.できるだけ,表にまとめるなどわかりやすく記載するとよい.
貼付写真:適切な写真を2〜4枚程度として,カラードプラとパルスドプラの方向を合わせることやカラーバーや深度の表示,各種パラメータの数値などは重要な情報なので,切り取らないようにする.また,左右や,どの血管の画像であるかがわかるように血管名やボディーマークを入れる.
臨床経過とエコーが診療にどう役立てられたかが判るように記載する.
誤字,脱字も減点となり,疾患の理解が乏しい,または検査経験が浅いと判断されたり,疾患や検査についての大きな間違いや誤解が認められた場合は大幅な減点が考慮される.