Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2015 - Vol.42

Vol.42 No.Supplement

特別講演 エキスパートに聞く,今の旬
消化器 

(S168)

エキスパートに聞く,今の旬 早期肝癌と境界病変を含めた肝腫瘍の造影超音波診断

Differential diagnosis of early HCC and borderline lesions using contrast-enhanced US

沼田 和司1, 田中 克明1, 中野 雅行2

Kazushi NUMATA1, Katsuaki TANAKA1, Masayuki NAKANO2

1横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター, 2湘南藤沢徳洲会病院病理科

1Gastroenterological Center, Yokohama City University Medical Center, 2Pathological Department, Shonan Fujisawa Tokusyukai Hospital

キーワード :

【はじめに】
造影超音波でFocal nodular hyperplasiaはspoke wheel pattern, Angiomyolipomaは肝静脈への早期ドレナージが特徴である.装置の発達に伴いhigh frame rateと高空間分解能で造影が可能となり腫瘍濃染のみならず腫瘍血管の詳細な観察も可能になった.
【目的】
造影超音波での腫瘍濃染,腫瘍血管走行が早期肝癌,境界病変の診断に有用かを検討した.
【対象】
病理学的に診断した早期肝癌(early hepatocellular carcinoma,以下eHCC)(n=83),high grade dysplastic nodule(以下HGDN)(n=6), large regenerative nodule(以下LRN)(n=13)平均腫瘍径はそれぞれ,15.4,15.3,16.2mm.
【方法】
Sonazoid® 0.2cc bolus injection.超音波装置GE社LOGIQE9,LOGIQ7.造影超音波所見を動脈相,門脈相,後血管相で観察.造影超音波動脈優位相で腫瘍血管が腫瘍辺縁から中心に向かって走行するパターン(peripheral pattern)と,腫瘍辺縁から真ん中にむかって一本血管がはいり,そこから末梢に向かって走行するパターン(central pattern)のふたつに大別.さらに腫瘍濃染パターンを検討.
【結果】
eHCC:98%(81/83)がperipheral patternで様々なvascularity(hypo 44.6,iso 25.3,hyper 27.7%),残り2結節(2%)がhypovascular with central pattern HGDN:100%(6/6)がhypovascular with peripheral pattern LRN:92.3%(12/13)がhypovascular with central pattern. 1例がhypervascular with central pattern.
LRNでは最初に細い動脈が入り,同時に門脈が伴走しcenrifugalに走行する.
【考察】
HGDNからeHCCに悪性化するにつれ,既存の動脈血流が低下し,腫瘍への動脈血流が増加し,逆に門脈血流は減少していく.LRNは硬変肝の再生過程に発生した過形成結節であり,LimらはCTHAで点状に動脈がはいるが全体はhypovascular, CTAPでisovascularと報告し(Radiology 1999;210:451-8)し,今回の検討の所見の多くと一致した.Budd-Chiari syndromeやアルコール性肝障害でのLRNは多血を呈し,Budd-Chiari syndromeの多くではcentral patternを呈したと報告している(Eur J Radiol 2012;81:2984-9).
【結論】
造影超音波ではeHCCとHGDNはperipheral pattern,LRNはcentral patternを呈し,eHCCもしくはHGDNとLRNとの鑑別に有効.