Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター 脳神経
脳神経/TEE

(S798)

動脈管短絡血流と新生児脳血流パターンの比較検討

Relation of ductal arterial flow volume and cerebral flow velocity

丸山 麻美, 谷口 周平, 佐藤 洋明, 佐藤 有子, 市橋 光

Asami MARUYAMA, Syuuhei TANIGUCHI, Hiroaki SATOU, Yuuko SATOU, Kou ICHIHASHI

自治医科大学附属さいたま医療センター小児科

Department of Pediatrics, Saitama Medical Center Jichi Medical University

キーワード :

目的】
動脈管の短絡血流が新生児脳血流に影響を与えることは以前から指摘されているが,それを定量的に評価した報告はない.今回われわれは,定量的に評価した動脈管短絡血流と新生児脳血流を比較し,検討したので報告する.
【対象および方法】
2013年3月から11月までに当センター新生児病棟に入院した連続277例のうち,循環に影響を与える可能性のある疾患を除き,日齢0のエコー検査で内頸動脈血流波形と左肺動脈波形が記録されていた95例を対象とした.超音波診断装置はPhilips社製iE33で,頭部エコーは5-8MHzのコンベックス型プローブを用い,大泉門をエコーウインドウとして矢状断面において内頸動脈が頭蓋内に入り大きく方向を変える湾曲部にサンプルポイントを置き,血流速度波形を記録した.得られた血流波形から装置のオートトレース機能により,収縮期最大血流速度(CAS),拡張末期血流速度(CAD),RI,PIが自動的に計測・計算された.心臓エコーは4-12MHzのセクター型プローブを用い,胸骨左縁の大動脈基部短軸断面で左肺動脈内にサンプルポイントを置き,血流速度を記録した.得られた血流波形から収縮期最大血流速度(LPAS),拡張期血流速度(LPAD)を計測し,その比LPAD/LPASを計算した.
【結果】新生児の在胎週数は36.4±2.4,出生体重は2535±631gであった.血流速度はCAS35.1±10.5cm/sec,CAD5.6±4.1cm/sec,LPAS97.8±19.3cm/sec,LPAD28.2±11.9cm/secであった.RI,PI,LPAD/PPASはそれぞれ,0.84±0.10,1.94±0.66,0.29±0.11であった.RIとL PA D / L PASの関係は,弱い正の相関を示した(y=0.22X+0.78,r=0.24).
【結論】新生児脳血流は,動脈管短絡血流量を定量評価したうえで評価すべきである.