Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター 脳神経
脳神経/TEE

(S798)

神経筋疾患における超音波筋エコーの検討

Examination of muscle echo in neuromuscular disease

田井 香織1, 高松 直子3, 高橋 正年2, 市丸 加奈子1, 松本 真一2

Kaori TAI1, Naoko TAKAMATSU3, Masatoshi TAKAHASHI2, Kanako ICHIMARU1, Shinichi MATSUMOTO2

1神鋼病院診療技術部生理検査室, 2神鋼病院神経内科, 3徳島大学神経内科

1Physiological laboratory, Department of Clinical Engineering, Shinko hospital, 2Department of Neurology, Shinko hospital, 3Department of Neurology, The University of Tokushima Graduate School

キーワード :

【はじめに】
筋疾患における筋エコー所見の有用性が報告されているが,その他の疾患における報告は少ない
【目的】
頸椎神経根障害,筋疾患,コントロールとして脳血管障害に伴い脱力をきたした筋の筋エコー所見を検討した
【方法】
超音波装置は日立アロカメディカル社製Prosoundα7を用い7MHzのリニアプローブを使用した.撮影モードはCarotidモードにて施行した.
【症例1】
81歳男性 20年前より徐々に増悪する上肢の脱力が出現し本院を受診した.神経学的には右上肢近位筋の脱力を認めた.筋エコーで上腕二頭筋,三角筋の輝度の上昇を認めた.上腕三頭筋の輝度変化は認めなかった.針筋電図で上腕二頭筋,三角筋に神経原性の変化を認めた.
【症例2】
58歳女性 2か月前より増悪する脱力感が出現し本院を受診した.神経学的には上肢を含む近位筋の脱力を認めた.筋エコーで上腕二頭筋,三角筋の輝度の上昇を認めた.針筋電図では同部位に筋原性の変化を認めた.
【症例3】
75歳男性 3年前に右上下肢麻痺が出現し,画像検査から脳梗塞と診断された.神経学的には右上下肢不全麻痺,深部腱反射の亢進を認めた.筋エコーでは上腕二頭筋,三角筋を含め輝度の変化を認めなかった.
【結果】
頸椎神経根障害における筋エコーでは脱力をきたした右上腕二頭筋と三角筋に限局した著明な輝度上昇と萎縮を認めた.多発性筋炎における筋エコーでは近位筋を中心に瀰漫性の輝度上昇を認めた.中枢神経障害における筋エコーでは脱力をきたした筋に輝度の上昇や萎縮,脂肪変性を認めなかった.
【考察】
筋エコーでは筋疾患のみでなく,末梢神経障害に伴い脱力をきたした筋においても輝度変化が認められることが報告されている.筋エコーにおける輝度変化の機序について文献的考察を加え報告する.