Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター コメディカル
体表・その他

(S787)

多房性構造を呈した冠動脈カテーテル治療後に発生した大腿動脈仮性動脈瘤の一例

A case of multilocular pseudoaneurysm of femoral artery after coronary catheter intervention

小林 希予志1, 中川 正康2, 松田 尚1, 渡辺 栄里1, 鎌田 ななみ2, 柴原 徹2, 藤原 敏弥2, 藤原 理佐子3, 鬼平 聡4, 伊藤 宏5

Kiyoshi KOBAYASHI1, Masayasu NAKAGAWA2, Shou MATSUDA1, Eri WATANABE1, Nanami KAMADA2, Toru SHIBAHARA2, Toshiya FUJIWARA2, Risako FUJIWARA3, Satoshi KIBIRA4, Hiroshi ITO5

1市立秋田総合病院超音波センター, 2市立秋田総合病院循環器内科, 3秋田県立脳血管研究センター循環器内科, 4きびら内科クリニック循環器内科, 5秋田大学医学部内科学講座循環器内科学分野

1Center of Diagnostic Ultrasound, Akita City General Hospital, Akita, Japan, 2Department of Cardiology, Akita City General Hospital, Akita, Japan, 3Department of Cardiology, Research Institute of Brain and Blood-Vessels-Akita, Akita, Japan, 4Department of Cardiology, Kibira Medical Clinic, Akita, Japan, 5Department of Cardiology, Akita University, Akita, Japan

キーワード :

症例は50歳代男性.高血圧,糖尿病,脂質異常症のため近医通院中で,狭心症疑いにて当院循環器内科へ紹介となった.冠動脈造影にて左前下行枝近位部の完全閉塞を認め,後日右大腿動脈穿刺で冠動脈カテーテル治療を施行した.翌日穿刺部の疼痛あり,同部の血腫と判断され経過観察となった.しかし翌日になっても症状改善せず再度診察したところ,穿刺部で血管雑音を聴取した.エコー検査を施行したところ,穿刺部周囲に血腫を認めるとともに,大腿動脈と連続する径15mmの瘤状構造物を認め仮性動脈瘤と考えられた.その瘤から前方(体表側)に壁在血栓を有する径10mmの瘤を認め,さらに側方にもほぼ血栓化した径10mmの瘤を認めた(図矢印).直ちにエコーで観察下に瘤への血流が遮断されるようプローブで位置を確認,指先で圧迫した.40分間圧迫し瘤の血栓化を確認して終了した.翌日のエコー検査では血栓化した瘤と周囲の血腫を認めるのみであった.動脈穿刺後に腫脹をきたした際には,詳細な身体所見の評価がきわめて重要と考えられるが,仮性動脈瘤の診断は必ずしも容易ではなく,積極的にエコー検査を用いた評価が必要と考えられた.またその治療においても,エコーガイド下での圧迫がきわめて有用と考えられた.