Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター コメディカル
体表・その他

(S786)

トラぺゾイドスキャンにおける分解能評価

special resolution on torapezoid scan

坪内 隆将

Takamasa TUBOUCHI

木沢記念病院放射線技術課

radiological technology, kizawa memolial hospital

キーワード :

【背景】
超音波検査装置におけるスキャン方式の一つに,トラペゾイド電子スキャンがあり,このスキャン方式は表在超音波検査において限られている視野を台形状に広げ,より広い視野で情報を得るのに有効であり近年多くの超音波装置に搭載されている.しかし,この方法は超音波を直進方向に照射せず,角度を変えて照射しているため画質の維持が懸念される.
【目的】
今回リニア型探触子における従来スキャン走査方式とトラペゾイド電子スキャン方式の方位方向分解能の比較検討し,また合わせてトラぺゾイドスキャンの方式の違いによる検討を行ったので報告する.
【使用機器】
超音波装置:α-10(アロカ社製),aplio(東芝社製) ファントム:ナイロン糸と寒天グラファイトで作成した自作ファントム
【方法】
臨床上甲状腺を観察する撮影条件に設定し,各装置間においてトラぺゾイドスキャンのon/off各状態でファントム内のナイロン糸に対し垂直方向に探触子を設置し,スキャンによって得られた画像のナイロン糸部を,方位方向にて画像の輝度値をimage-Jにて読み取りFFT処理しMTFを求めた.
【結果】
バーチャルコンベックス方式のトラペゾイドスキャンはそれを用いることで分解能の低下が確認できon状態とoff状態で2つの群に分かれるような結果となったが,ハイブリッドスキャン方式はスキャン中央近傍の広範囲でon状態とoff状態での分解能に差が認められなかった.
【考察】
トラペゾイド電子スキャンにおけるバーチャルコンベックス型はその走査方式の特性より全般に方位方向分解能の低下が,またハイブリッド型は極端な辺縁の分解能の低下が想定できるが,今回用いた手法にてこれらの特徴をMTFを用い表現することが行えかつ,定量的評価を行うことができ有効であったと考える.しかしその一方で本手法は,理論上装置内のカーネルの違いなど各種設定の違いには十分な評価が可能であると考えるが
装置間の比較には向いておらず,今後の課題と考える.
【まとめ】
従来のスキャン法よりも視野を拡大するトラペゾイドスキャンでは,比較的大きな病変などの全体像を確認するのには非常に有用であると考えるが,病変内の性状など,詳細な細部の評価には,従来法を用い臨床ではこれらを適宜切り替えて使用するのが望ましいと考える.