英文誌(2004-)
一般ポスター 乳腺
症例検討P/その他
(S764)
乳癌の広がり診断における超音波自動ブレストボリュームスキャナ(ABVS)の有用性
Effectiveness of automated breast volume scanner in evaluation of extent of breast cancer
伊藤 淳, 君島 伊造
Jun ITO, Izo KIMIJIMA
北福島医療センター乳腺疾患センター
Breast Center, Northern Fukushima Medical Center
キーワード :
超音波自動ブレストボリュームスキャナAutomated Breast Volume Scanner(以下ABVS)は,シーメンスによって開発された新しい超音波検査システムである.検査者の習熟度に依存せず信頼性・再現性の高いデータを得ることができること,およびそれぞれの乳房を1〜3回自動スキャンすることにより乳房全体のボリュームデータが得られ,これまでの乳房超音波検査では困難であったCoronal断面の画像を得られることが大きな特徴である.われわれはこのABVSのcoronal像を用いた乳癌の広がり診断について検討を行ったので報告する.
対象は2011年12月から2013年12月まで当院で乳癌の手術を行い,術前日にABVSを施行した女性170例(23歳〜88歳,平均年齢56.4歳).最終病理診断は浸潤性乳管癌129例,非浸潤性乳管癌25例,浸潤性小葉癌12例,非浸潤性小葉癌1例,粘液癌3例である.術前に施行したABVSにより得られる腫瘍径,病理診断における腫瘍径(乳管内進展を含むについて,retrospectiveに比較検討を行った.
ABVSは,colonal像によって乳房内の病変の広がりをより全体的に把握しやすいことから,温存手術の切除範囲の決定などにおいても役立つものと考えられた.