Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター 産婦人科
産科(その他)

(S754)

妊娠18週〜22週におけるsonobiopsyを用いた胎盤血流の評価

Placental vascularity and blood flow at 18-22 weeks in FGR or PIH pregnancy

野口 純子1, 小栁 彩2, 山西 智未2, 三宅 馨2, 田中 宏和3, 秦 利之3

Junko NOGUCHI1, Aya KOYANAGI2, Tomomi YAMANISHI2, Kaoru MIYAKE2, Hirokazu TANAKA3, Tosiyuki HATA3

1香川県立保健医療大学助産学専攻科, 2三宅医院産婦人科, 3香川大学医学部周産期学婦人科学

1Midwifery, Kagawa Prefectural College of Health Sciences, 2Obstetrics and Gynecology, Miyake Clinic, 3Perinatology and Gynecology, Kagawa University School of Medicine

キーワード :

【背景・目的】
正常妊娠では妊娠週数が進むにつれて胎盤の血流量が徐々に増加し,胎児発育不全(Fetal growth restriction: FGR)では減少することを報告してきた1)
本研究では,三次元パワードプラ法によるPlacental vascurlar sonobiopsy(PVS)を用い,妊娠18週〜22週の胎盤のVascurality及び血流量を評価し,FGR及びPIHの予測が可能であるかを後方視的に検討したので報告する
【方法】
対象は,妊娠18週〜22週の227例である.胎盤が子宮前壁付着であることを確認して,三次元パワードプラ法にて胎盤のVolumeデータを取得し,ハードディスクに保存した.超音波検査は,Voluson E8(GE Healthcare Japan)を使用した.
研究の実施にあたっては,香川大学医学部倫理委員会の承認を得て,対象者には研究目的及び方法などについて十分な説明を行い同意書にて同意を得た.
得られたデータの分析は,オフラインで解析ソフトのVOCAL histogram analysisにより,取得した胎盤全体で5〜10個のサンプリングを行い,その平均値を用いた.Vascularization index(VI),Flow index(FI),Vascularization Flow index(VFI)を求め,PVSを実施した箇所の平均値を求めた.統計的分析は,IBM SPSS Statistics Version 21を用いて行い,P<0.05 を有意差ありとした.
【結果】
分析対象227例(データ総数304例のうち77例を除外)の平均年齢30.32(±5.10)歳,検査時妊娠週数20.09(±0.99)週,コントロール群192例,FGR群25例,LGA群10例であった.母体合併症のうちPIH合併有15例(軽症10例,重症5例)であった.
FGR群とコントロール群及びLGA群の3群間では,VI,FI,VFIのいずれにも有意差はなかった.PIHの15例と認められなかった212例でも,VI,FI,VFIに差はなかった.
PIH群のうち重症例(Median 8.06,Range 5.82-11.92)と軽症例(Median 4.89,Range 1.53-13.22)のVIに有意差が認められたが(P=0.028),FI,VFIでは差が認められなかった.
【結論】
将来重症のPIHが発症する症例では,妊娠18週〜22週時の胎盤のVascuralityが増加していることが示唆された.
【文献】
1)Noguchi. J et al. Placenta 2009;30:391-397.