Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター 産婦人科
異常妊娠/婦人科疾患

(S752)

閉経後に認められた子宮内膜肥厚の2例

Two cases of endometrial thickness at menopausal period

長野 宏史, 新井 友香梨, 村田 佳菜子

Hiroshi NAGANO, Yukari ARAI, Kanako MURATA

小張総合病院産婦人科

Obstetrics and Gynecology, Kobari General Hospital

キーワード :

【目的】
閉経後に不正出血を認める際には,まず悪性疾患を除外する必要がある.悪性疾患が認められない場合にはホルモン異常やその他の疾患を考えなければならない.経腟超音波断層法にて子宮内膜肥厚を認めた2症例から,閉経後の子宮内膜肥厚症例に対応する診療内容を考察する.
【症例1】
68歳の2経妊2経産,閉経55歳だが付着程度であるが不正出血を主訴に初診となった.経腟超音波にて子宮内膜が17mmと肥厚を認めた.血中エストラジオール値は29pg/mLであった.
【症例2】
58歳の2経妊2経産,閉経54歳で不正出血を主訴に初診となった.経腟超音波にて子宮内膜が30mmと肥厚を認め,血中エストラジオール値は10pg/mLであった.
【方法】
経腟超音波検査では内膜肥厚以外に卵巣腫大等の明らかな病変は認めていなかった.子宮内膜細胞診,子宮内膜組織検査ともに悪性所見を認めなかった.MRI検査では子宮内腔に明らかな病変を認めず,通常の子宮内膜様の信号を呈していた.
【考察】
麻酔下に子宮内膜掻爬を施行したところ,子宮内膜ポリープを認めていた.年齢からはエストラジオールが検出される事は少ないが,この2症例では子宮内膜肥厚につながった可能性が示唆された.
【結論】
閉経期に不正出血を認め,経腟超音波検査で子宮内膜肥厚を認めた症例を経験した.低侵襲であり,簡便な検査である経腟超音波断層法は,日常診療における重要な診断手段である事が再認識された.