Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター 消化器
消化管1

(S736)

鑑別が困難であった小腸calcifying fibrous tumorによるイレウスの1例

A case Report of ileus by small intestine calcifying fibrous tumor with difficulty

河合 直之1, 2, 村川 佳子1, 木太 秀行1, 松中 寿浩2, 野田 晃世2, 南 貴人3, 三木 明寛3, 西平 友彦3, 小川 力2, 柴峠 光成2

Naoyuki KAWAI1, 2, Yoshiko MURAKAWA1, Hideyuki KITA1, Toshihiro MATSUNAKA2, Teruyo NODA2, Takahito MINAMI3, Akihiro MIKI3, Tomohiko NISHIHIRA3, Chikara OGAWA2, Mitsushige SHIBATOGE2

1高松赤十字病院腹部超音波室, 2高松赤十字病院消化器内科, 3高松赤十字病院消化器外科

1Division of Ultrasound, Takamatsu Red Cross Hospital, 2Division of Gastroenterology, Takamatsu Red Cross Hospital, 3Division of Gastroenterological Surgery, Takamatsu Red Cross Hospital

キーワード :

【症 例】
60歳台男性
【現病歴】
朝から臍周囲の痛みや気分不良を認め近医受診.イレウスの診断で同日当院に紹介・入院となった.腹部超音波検査にて拡張腸管の先進部にhigh echoを認め,毎日の豆食歴がある事から,食餌性イレウスを疑いイレウス管を挿入し経過観察となった.翌日腹部超音波検査にて,拡張腸管の先進部のhigh echoの移動が確認できず重積様に描出された為,憩室等による重積によるイレウスと考え,内科的治療のみで改善する可能性が低いと判断され翌日手術目的に外科紹介となり緊急手術となる.
【手術所見】
約280cm挿入したイレウス管の先端付近で小腸漿膜どうしが強く癒着し180度屈曲して閉塞機転となっていた.癒着剥離のみでのイレウス解除は困難と判断し,屈曲部分を含む小腸切除術となる.切除した小腸を再度超音波で確認すると,異物と思われていた先進部のhigh echoは粘膜下層に存在する事が確認できた.
【考 察】
今回,毎日豆類食歴があるという患者情報に頼りすぎてイレウス先進部のCalcifying fibrous tumor(CFT)のhigh echoを豆類と思い込み,腫瘍性病変の可能性を排除してしまった.
患者情報も大切であるが,検査時には固定概念を捨ててあらゆる可能性を考え1つ1つ除外して検査を進めていかなければならないと改めて痛感させられた.