Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般ポスター 消化器
肝臓1

(S730)

BMI25未満腹囲正常症例における脂肪肝症例の解析

Analysis of fatty liver in the non-obese with normal waist circumference

平岡 淳1, 新畠 由紀3, 二宮 朋之1, 廣岡 昌史2, 松浦 文三2, 日浅 陽一2, 道堯 浩二郎1

Atsushi HIRAOKA1, Yuki SHINBATA3, Tomoyuki NINOMIYA1, Masashi HIROOKA2, Bunzo MATSUURA2, Yoichi HIASA2, Kojiro MICHITAKA1

1愛媛県立中央病院消化器病センター内科, 2愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学, 3愛媛県立中央病院検査部

1Gastroenterology, Ehime Prefectural Central Hospital, 2Department of Gastroenterology and Metabology, Ehime University Graduate School of Medicine, 3Department of Laboratory, Ehime Prefectural Central Hospital

キーワード :

【目的】
脂肪肝(FL)は肥満例に高頻度でみられるが,非肥満例でもしばしばみられる.検診腹部超音波検査(US)で指摘された,常習飲酒のない肥満のないFL症例の臨床像を明らかにする.
【方法】
2008年から2010年に当院の人間ドックを受診した2192人から常習飲酒者を除いた1724例.その中から肥満(BMI25以上)を除外した1203症例,さらに隠れ肥満(腹囲男性85cm以上,女性90cm以上)を除外した958人についても,FLの有り/無しで臨床的特徴について検討を行った.
【成績】
非肥満男性の腹囲85cm未満(n=518)ではFLは30.5%,Metsは0%であったが,腹囲85cm以上の症例(n=219)でFLは57%にみられ,メタボリックシンドローム(Mets)は52%にみられた.非肥満女性の腹囲90cm未満(n=440)ではFLは18.6%,Metsは0%であったが,腹囲90cm以上の症例(n=26)でFLは77%にみられ,Metsは38%にみられた.腹囲正常例ではFL陽性例は陰性例と比べて男女とも有意にIRI,HOMA-Rは高く,20歳時と比べて体重が10kg以上増加している症例が多かった(男性:7.4±7.5 vs. 5,2±3.2U/mL, P<0.01,1.9±1.9 vs. 1.3±0.8,P=0.01,32.9%vs. 12.5%,P<0.01)(女性:7.1±2.5 vs. 5.6±3.4U/mL, P<0.01,1.7±0.9 vs. 1.3±0.6,P<0.01,19.5%vs. 10.0%,P=0.02).運動習慣(1hr以上の運動/day)はFL陽性例と陰性例では,男性においては差がみられず(38.6 vs. 42.5%),女性においてのみ有意差がみられた(37.8 vs. 49.7%,P=0.04).
【考察】
非肥満症例かつ腹囲正常であってもFLが存在しており,腹囲の増加とともにFLの頻度の増加,耐糖能異常の出現増悪がみられ,非肥満症例であっても内臓脂肪の増加とともにMets発症の危険が増加することが示された.
【結語】
非肥満症例,腹囲正常であってもFLが見られれば,体重増加途中である可能性が高く,Mets発症予防目的に食事内容・運動など生活習慣の見直しなど厳密な生活習慣改善指導介入が必要である.