Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 頭頸部
頭頸部2・その他

(S674)

頭頸部領域の超音波検査サマリのあるべき姿とは?

Contemplate the best form of report on ultrasonography at head and neck area

下出 祐造1, 堤内 俊喜1, 辻 裕之1, 能田 拓也2, 山田 健太郎2, 山村 博3, 山田 正則3, 佐藤 尚美4

Yuzo SHIMODE1, Toshiki TSUTSUMIUCHI1, Hiroyuki TSUJI1, Takuya NODA2, Kentarou YAMADA2, Hiroshi YAMAMURA3, Masanori YAMADA3, Naomi SATOU4

1金沢医科大学頭頸部外科学, 2金沢医科大学耳鼻咽喉科学, 3金沢医科大学中央放射線部, 4穴水総合病院中央検査部

1Head and Neck Surgery, Kanazawa Medical University, 2Otolaryngology, Kanazawa Medical University, 3Radiology Center, Kanazawa Medical University, 4Laboratory, Anamizu General Hospital

キーワード :

頭頸部領域の腫瘍性病変や腫大リンパ節に対する画像検査において近年の超音波機器の進歩,普及により微小病変の検出や詳細な評価が可能となってきた.それに応じて多くの情報記載を要するためその提示にも工夫が必要となってきている.
そもそも超音波検査は検索施行範囲においては局在評価に優れているが,検査次第で再現性や頸部全体評価においてCTやMRIなどに比べ劣ることは否めない.一方超音波検査は放射線暴露がないことや検査費用が安価で繰り返しが可能等の利点があるにも関わらず,そのたびに検者が以前の検査結果内容を理解することに難渋し時間を要するため繰り返しのメリットが生かし切れていない.
さらに患者が病態の理解を深めることは治療への前向きな姿勢と医療側との信頼を高めることの一助となっており,そのために検査結果のわかり易い説明は欠かせない.しかし近年導入がすすんでいる電子カルテにおいて理解度を上げるために文章に図表を添付,描出可能だが詳細な記載は困難である.
医師や技師の間の情報交換においても検査結果報告は重要であるが,その職種間において超音波検査の目的の認識に差があることも重要である.われわれ外科医は手術ためにCTやMRIなど術前の画像を用いて手術をイメージするが,超音波検査は検者以外はそれが困難である.
今後あるべき頭頸部領域の超音波検査結果サマリとは,できるだけ頸部全体を記載しさらに記載ルールをある程確立することで,広範囲の臓器も含め見落としなく隣接臓器との関係を明確化して全体評価に耐えるもので,情報が的確に伝達され再現性が向上することで繰り返す検査時間や手間を短縮し,かつ職種間の目的を認識しつつ患者への説明においてもわかりやすい提示で信頼関係の構築に寄与しうるものを作成する必要があると思われる.その媒体は最終的には電子化を目指すが,理想的形式が紙面への記載であればその概念を一度改めて紙面の形式を再度件検討する作業が必要であると思われる.
今回当院では他施設と合同で超音波検査結果について,より良いサマリの作成を目的に,施設間で異なるサマリ形式について,それぞれの作成時間の測定,特に繰り返し検査における時間短縮の程度,また患者へ説明の際の理解におけるアンケートなどを用いて検討を行ったので報告する.