Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 頭頸部
頭頸部1

(S671)

当科における頸部リンパ節超音波ガイド下穿刺細胞診の検討

Analysis of ultrasound-guided cytology of cervical lymph nodes in our department

中多 祐介1, 花井 信広1, 越川 卓2, 鈴木 秀典1, 平川 仁1, 小澤 泰次郎1, 長谷川 泰久1

Yusuke NAKATA1, Nobuhiro HANAI1, Takashi KOSHIKAWA2, Hidenori SUZUKI1, Hitoshi HIRAKAWA1, Taijiro OZAWA1, Yasuhisa HASEGAWA1

1愛知県がんセンター中央病院頭頸部外科, 2愛知県立大学看護学部

1Department of Head and Neck Surgery, Aichi Cancer Center, 2School of Nursing & Health, Aichi Prefectural University

キーワード :

【はじめに】
超音波ガイド下穿刺細胞診は,安全かつ容易に検体採取が可能な手技で,頸部リンパ節腫脹の診断に有用である.しかし採取された検体が不良の場合,再検査が必要である.検体不良の原因は,十分な細胞が採取されていない事や,採取した細胞の細胞変性などである.我々はそのような再検査を減らす為に,病理医の協力を得て迅速細胞診(RDC:rapid diagnosis cytology)を行っている.
【目的】
頸部リンパ節超音波ガイド下穿刺細胞診におけるRDC法の有用性について検討すること.
【対象】
2011年1月から2012年12月までに,当科で行った超音波ガイド下穿刺細胞診検体282検体(内RDC法施行:144検体).
【方法】
穿刺は,超音波ガイド下に24Gの穿刺針を用いて非吸引法にて検体を採取する.採取された検体の一部をディフクイック染色し,その場で病理医が迅速診断を行い,検体が適切かどうかを診断し,検体不良の場合には再検査を行っている.
【結果】
検体不良は,RDC法施行検体で144検体中5検体(3.5%),RDC法非施行検体では138検体中15検体(10.8%)であり,統計学的にも有意に減少した.(χ2検定 P=0.028)
【考察】
RDC法の利点は,病理医がその場に立ち会い採取細胞が確認でき,より確実に細胞診を行う事である.また,再穿刺する際には吸引細胞診の必要性の判断や穿刺法等のフィードバックが可能であり,検査医師の技術向上にも役立つ.RDC法は,検体不良を減少させ,診断率を高める有用な検査法であると考えられた.