英文誌(2004-)
一般口演 甲状腺
エラストグラフィ他
(S662)
甲状腺腫瘍の増殖様式や背景甲状腺の合併病変がエラストグラフィー像に与える影響とその臨床的注意点
岸 真理子1, 岸 宗佑2, 下田 一成3, 横井 宏隆4, 鈴木 貴子5, 谷本 由香利5, 舩本 康申5, 竿尾 光祐5, 6, 桑原 一宏1
Mariko KISHI1, Munehiro KISHI2, Kazunari SHIMODA3, Hirotaka YOKOI4, Takako SUZUKI5, Yukari TANIMOTO5, Koushin FUNAMOTO5, Mitsuhiro SASAO5, 6, Kazuhiro KUWAHARA1
1回生病院内科甲状腺外来, 2香川大学医学部腫瘍病理学, 3回生病院放射線部, 4回生病院臨床検査部, 5回生病院病理部, 6苫小牧市立病院病理部
1 , 2 , 3 , 4 , 5 , 6
キーワード :
外科切除された結節性甲状腺腫43結節の病理組織像と超音波エラストグラフィー像と比較した結果,18/19結節(95%)がエラストグラフィーGrade 1,2であり,病理学的にも良性であった.また,22/24結節(92%)がGrade 3,4で病理学的にも悪性であった(Grade1,2-3,4 : p<0.0001).Grade1,2で悪性であった1例は,周囲にadenomatous goiterを合併した径約5mmの小さなfollicular carcinomaで,Grade3,4で良性であった2症例のうち1例は病理組織学的にも特殊型であるfollicular adenoma, clear cell variantであり,ballooningした淡明な腫瘍細胞が緊満して増生していた.今後,エラストグラフィー判定の感度,特異度の向上には,腫瘍の増殖様式や背景甲状腺の合併病変にも着目することが重要と考える.