英文誌(2004-)
一般口演 消化器
その他2
(S610)
体外式超音波で診断され,約2年半の経過観察を行ったCeliac Artery Compression Syndromeの1症例
筒井 貴子1, 楠 裕明1, 神崎 智子1, 山下 直人1, 井上 和彦1, 眞部 紀明2, 畠 二郎2, 石井 学3, 鎌田 智有3, 春間 賢3
Takako TSUTSUI1, Hiroaki KUSUNOKI1, Tomoko KANZAKI1, NAOTO YAMASHITA1, Kazuhiko INOUE1, Noriaki MANABE2, Jiro HATA2, Manabu ISHII3, Tomoake KAMATA3, Ken HARUMA3
1川崎医科大学総合臨床医学, 2川崎医科大学超音波内視鏡センター, 3川崎医科大学消化管内科
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症例は40歳代の女性.X年1月頃より食後の心窩部や左季肋部の痛みや張り感,重い感じなどが出現するようになり,上部消化管内視鏡検査(近医)で症状の原因となる器質的疾患は指摘されず,X+1年10月当科に紹介された.体外式超音波検査(US)で腹腔動脈(CA)の呼吸性変位が指摘され,CAの血流測定を行ったところCeliac Artery Compression Syndrome(CACS)と診断された.本人が手術を希望せず,その後の約2年半は上腹部症状に対して内服薬が投与された.また,症状に胃十二指腸運動機能異常の関与も疑われたため,CA血流測定以外にUSを用いた胃十二指腸運動機能検査を数回施行した.その結果,症状は多少の軽減や増悪を繰り返すものの,全体的にやや軽快傾向が見られ,それに伴って腹腔動脈血流や胃十二指腸運動機能は変化が認められた.CACSの診断のみでなく経過観察にUSは有用であった.