Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 消化器
Elastography4

(S601)

C型慢性肝炎に対するIFN治療前後での肝線維化の改善とElastographyによる肝硬度の変化

Changes in the liver hardness in Elastography and improvement of liver fibrosis with before and after IFN therapy for chronic hepatitis type C

日高 勲, 花園 忠相, 大野 高嗣, 佐伯 一成, 高見 太郎, 寺井 崇二, 坂井田 功

Isao HIDAKA, Tadasuke HANAZONO, Takashi OONO, Issei SAEKI, Tarou TAKAMI, Shuji TERAI, Isao SAKAIDA

山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学

Department of Gastroenterology & Hepatology, Yamaguchi University Graduate School of Medicine

キーワード :

【目的】
C型慢性肝炎患者においてIFN治療によりSVRが得られると肝線維化は改善することが知られている.肝線維化の評価に肝生検は有用であるが,侵襲的で,合併症も危惧され,繰り返し施行することは困難である.一方,Real-Time Tissue Elastography(RTE)は非侵襲的な組織硬度測定機器であり,繰り返し施行可能である.そこで,IFN治療前後でのRTEの変化を検討し,RTEがIFN治療後の線維化の評価に有用であるか検討した.
【方法】
2011年11月以降に当科を受診し,RTEを施行したC型慢性肝疾患患者について,RTEより得られた線維化スコアLF indexを肝線維化と相関するとされるFIB-4 indexや血小板数と比較した.さらに肝生検により,組織学的線維化Stage診断が得られた症例について,組織的線維化StageとLF indexやFIB-4 index,血小板数との相関の有無を検討した.さらに,IFN治療により,SVRが得られた症例におけるIFN治療前と治療6ヶ月後(SVR判定時)におけるLF indexの変化をLIB-4 indexや血小板数の変化と比較検討した.SVR後に同意を得て肝生検を施行した症例における組織学的線維化Stageとの比較も行った.
【結果】
RTEを施行した90症例においてLF indexとFIB-4 indexの間に正の相関(R=0.220,P<0.05)を認めた.血小板数との間には相関は認めなかった.肝生検を施行した35例では線維化StageとLF index(R=0.43,P<0.01),FIB-4 index(R=0.49,P<0.05)とに正の相関を認めた.血小板数との間には相関は認めなかった.また,IFN治療によりSVRが得られた症例11例で,経時的にRTEを施行できている.IFN治療前とSVR判定時のLF indexを比較したところ,SVR判定時に有意に低下を認めた(P<0.001).一方,FIB-4 indexや血小板数には有意な変化はなかった(前2.35±1.20→後3.16±2.74).SVR後に肝生検を施行した2例において,組織学的線維化Stageの改善を認めていたが,同症例ではLF indexも低下していた.
【結論】
RTEによるLF indexはIFN治療前後における経時的な非侵襲的線維化の評価法として有用である可能性が示唆された.