Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 消化器
プローブ・EUS

(S588)

LOGIQ E9 With XDclearの使用経験 シングルクリスタルプローブの有効活用

Effective use of experience using single crystal probe of LOGIQ E9 With XDclear

今泉 延1, 竹田 欽一2, 西尾 雄司2, 安田 真理子2, 上野 泰明2, 伊藤 将倫1, 鈴木 誠治1, 木下 智恵美1, 中村 妙1, 重岡 あゆみ1

Tadashi IMAIZUMI1, Kinichi TAKEDA2, Yuuji NISHIO2, Mariko YASUDA2, Yasuaki UENO2, Masatsugu ITOU1, Seiji SUZUKI1, Chiemi KINOSHITA1, Tae NAKAMURA1, Ayumi SHIGEOKA1

1名鉄病院放射線科, 2名鉄病院消化器内科

1Radiology, Meitetsu Hospital, 2Gastroenterological, Meitetsu Hospital

キーワード :

【はじめに】
LOGIQE9の最新バージョンであるLOGIQE9 With XDclearは,従来セクタプローブで採用が進んでいたSingle Crystal Technologyが,加工技術の進歩によりコンベックスプローブでも採用され,XDclear Probeの名称のもと,搭載された.今回,そのXDclear Probeというプローブに焦点を絞り,通常のスクリーニングおよびソナゾイド造影検査,さらには第86回学術集会にて当院より報告した通常のB-mode撮影時のMI値を0.2〜0.4の低音圧に設定した,造影検査における高分解能撮影法であるLow‐MI-B法も加え,臨床例をもとにその有効活用を報告する.
【対象】
対象は,2013年8月から12月までにXDclear Probeにて腹部超音波検査を施行した893例,ソナゾイド造影超音波検査を施行した76症例.
【使用機器・方法】
GE Healthcare社製LOGIQ E9 With XDclear.使用プローブは,C1-6 Convex Probe,C2-9 Convex Probeを使用した.またソナゾイド造影の際,Low‐MI-B法撮像時には9Lリニアプローブの使用も試みた.スクリーニング検査ではC1-6では3〜5Mhz,C2-9では4.5〜6MhzでMI値0.9〜1.2を使用.ソナゾイド造影においてはPhase Inversion(PI)法およびAmplitude Modulation(AM)法にて走査を行い,MI値0.2〜0.3に設定.また,高分解能撮影のLow‐MI-B法ではMI値0.2〜0.4の設定とし,ともにfocusは1点で各々血管相や後血管相,re-perfusionなどの撮像を行った.通常のスクリーニング検査では分解能やペネトレーションなどの観察・評価し,ソナゾイド造影では各撮像方法の染影の程度,分解能などを評価した.
【結果】
C1-6およびC2-9プローブは以前のものよりも薄く肋間走査もしやすくなっており,特にC1-6プローブで脂肪肝症例においては深部減衰はあるものの,約15cmまでもが明瞭に描出でき,かつ小病変の描出もでき不可能といわれてきた,分解能とペネトレーションの両方を向上した次世代のプローブであると思われた.また,ソナゾイド造影では,PI法で特にC1-6プローブで深部までほぼ均一した描出でき,以前よりもfocus依存性が軽減された.AM法は,高エコー腫瘤においては実質の組織信号が以前よりさらに抑制され,血流像のみを明瞭に描出することが可能であったが,分解能にやや不安を残すのが欠点であった.Low‐MI-B法は両プローブとも血管相やre-perfusionでは視覚的に造影剤を血流信号として表示でき,高分解能で高フレームレートの微細な血流画像が得られ,後血管相でも浅部から深部まで均一した画像を得ることができた.
【まとめ】
LOGIQ E9 With XDclearのシングルクリスタルプローベは,様々な点で改良され,今までにない画像を得ることができ,スクリーニングから造影を含む精査に至るまで診断能の向上に有効であると思われた.今後の超音波検査の発展に期待できるプローブであると思われる.