内田 信治, 中山 剛一, 三原 勇太郎, 山口 圭三, 亀井 英樹, 石橋 生哉, 緒方 裕, 白水 和雄

Shinji UCHIDA, Gouiti NAKAYAMA, Yutaro MIHARA, Keizou YAMAGUCHI, Hideki KAMEI, Seiya ISHIBASHI, Yutaka OGATA, Kazuo SHIROUZU

久留米大学医療センター外科

Surgery, Kurume University Medical Center

キーワード :

はじめに
近年，肝腫瘍の画像診断はMDCT，Gd-EOB-DTPA造影MRIさらに造影エコーにて詳細な描出が可能となった．しかしながら肝切除術やラジオ波焼灼術（RFA）における術中のモダリティはエコーのみが有用である．今回我々は肝腫瘍患者に対し，腫瘍野の描出に造影Real Time Fusion Imasing Echo（以下RFIエコー）を用い有用であったので報告する．
対象
2012年8月から2013年8月までの肝腫瘍患者14名に対し術中造影超音波エコー併用RFIエコーをおこなった．内訳は転移性肝癌12例，原発性肝癌2例．
方法
使用機器は超音波診断装置Aplio500，アプリケーションはToshiba Medical SystemsのSmart Fusionを用いた．
先ず術前に最適な時期のCT画像を超音波診断装置に読み込み，術中位置センサーを装着した超音波コンベックスプローブにて位置合わせを数回行い，そのプローブの動きに連動してリアルタイムに正確なMPR（multiplannar reconstruction任意断面再構成）像を表示しCT画像との連動を図る．次にソナゾイド造影剤を用いて腫瘍の性状や位置の確認と脈管との関係および切離線の確認をおこないRFAあるいは肝切除を行う．
結果
CTやMRIで描出されている標的結節と，実際に術中エコーで観察している結節が一致しているかどうかが確実に確認できる．
術中Bモードエコーのみでの描出が困難な場合にもリアルタイムなエコー画像とMDCTなどでの参照画像を比較しつつ検索し治療できる．
結語
複数回のRFAや化学療法施行後の肝転移巣はエコーでの病変部の描出が困難となる．
Real Time Fusion Imasing Echoを用いることで病変の詳細な質的診断および位置診断が可能となり治療の精度が向上する．