Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 消化器
Elastography1

(S550)

肝移植後de novo AIHに対するステロイド治療中VTTQとFibroscanで経過を追えた一例

One case who followed up by VTTQ and Fibroscan during steroid therapy for de novo AIH after Liver transplantation

河岡 友和, 相方 浩, 福原 崇之, 福間 輝行, 茶山 一彰

Tomokazu KAWAOKA, Hiroshi AIKATA, Takayuki FUKUHARA, Teruyuki FUKUMA, Kazuaki CHAYAMA

広島大学病院消化器・代謝内科

Department of Gastroenterology and Metabolism, Hiroshima University Hospital

キーワード :

症例は63才女性.2010年2月C型肝不全に対して生体肝移植術施行した.同年5月から PEGIFN/RBV併用療法開始し,2011年6月SVRとなる.しかしながらIFN終了前から,ALT上昇しており,また血中IgGが正常→2800→4040 mg/dlと徐々に上昇してきたため,IFN治療後のde novo自己免疫性肝炎を疑い,2011年10月肝生検を行った.生検結果はde novo AIHとは至らなかったがF3相当,生検時のVTTQ 2.96 m/s Fibroscan 26 Kpaであった.同時に行った血液検査で移植前に陰性であったHBs抗原が陽転化していた.さらにドナーの血液検査ではHBs抗体とHBc抗体が陽性であり,ドナーからのHBVの持ち込みであることが判明した.2011年10月エンテカビル内服開始したが,その後HBVDNAが低下するもALTは依然高値を持続した,このため2012年3月,再度肝生検施行しde novo AIHと診断した.病理はF4相当であった.生検時のVTTQ 3.23 m/s Fibroscan 16.9 Kpaであった.2012年5月よりステロイド治療開始し,随時斬減して現在5mg隔日にてトランスアミナーゼは正常化している.
2013年8月治療評価目的にて肝生検施行した.病理はF3相当であり改善していた.生検時のVTTQ 2.15 m/s Fibroscan 16.9であった.
【結語】
肝移植後de novo AIHに対するステロイド治療の経過においてVTTQとFibroscanで経過を追えた一例を経験した.