Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 循環器
症例報告・心筋梗塞/心室瘤

(S515)

心室中隔穿孔をきたした一尖弁大動脈弁周囲膿瘍の一例

A Case of Unicuspid Aortic Perivalvular Abscess with v Ventricular Septal Perforation

古澤 健司1, 原 聡史1, 武藤 真広1, 佐藤 照盛4, 福嶋 央1, 澤崎 浩平1, 原田 将英1, 小林 正和1, 田中 國義3, 長谷川 和生2

Kenji FURUSAWA1, Satoshi HARA1, Masahiro MUTOU1, Terumori SATOU4, Hisashi FUKUSHIMA1, Kouhei SAWASAKI1, Masahide HARADA1, Masakazu KOBAYASHI1, Kuniyoshi TANAKA3, Kazuo HASEGAWA2

1浜松医療センター循環器内科, 2長谷川内科循環器, 3浜松医療センター心臓血管外科, 4浜松医科大学循環器内科

1Cardiology, Hamamatsu Medical Center, 2Cardiology, Hasegawa Internal Medicine, 3Cardiovascular Surgery, Hamamatsu Medical Center, 4Cardiology, Hamamatsu University School of Medicine

キーワード :

【背景】
感染性心内膜炎に弁周囲膿瘍を合併することは決してまれではないが,早期診断することは実際に困難なこともある.
【症例】
47歳女性.46歳で心雑音を指摘されて,当院にて重症大動脈弁狭窄症で将来の手術を予定し経過観察されていた.
【現病歴と入院経過】
入院4日前に発熱が出現し,近医を受診した.インフルエンザ否定され,抗菌薬で経過みられていた.入院当日改善ないため当院救急外来を受診し,肝胆道系酵素上昇あり,敗血症の疑いで消化器内科入院となった.MRCP,Gaシンチ試行されたが感染のFocus不明であった.第3病日に経胸壁心エコーで,明らかな疣腫を指摘されなかった.第4病日に血液培養からグラム陽性球菌を検出(後にS.aureus;MSSAと判明)され,感染性心内膜炎疑い,循環器内科転科となった.バンコマイシン2g/day投薬開始された.第5病日経食道心エコーを施行し,三尖弁に疣腫を確認した.感受性のあるセフトリアキソン4g/day投与に変更した.その後感染のコントロールつかず,心不全の増悪がみられた.第10病日の経胸壁心エコーで右室内の疣腫の増大,心不全増悪あり外科手術の適応と判断して,準緊急で大動脈弁置換術+疣腫摘除+三尖弁形成術を予定した.大動脈弁は,一尖弁で右冠尖に相当する部位の周囲膿瘍で破壊され,膜性中隔付近から右室へ穿孔していた.
【結語】
手術により救命しえたが術前に大動脈弁周囲膿瘍の診断をしえなかった教訓的一例であったので報告した.