Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 循環器
不整脈/インターベンションと心エコー

(S496)

CHADS2およびCHA2DS2-VAScスコアの増加は左心耳血流速度の低下と関連する

Impact of CHADS2 and CHA2DS2-VASc score on left atrial appendage velocity in patients with stroke

平尾 麻衣子1, 山田 博胤1, 2, 發知 淳子1, 林 修司1, 坂東 美佳2, 西尾 進1, 山尾 雅美1, 鳥居 裕太1, 添木 武2, 佐田 政隆1, 2

Maiko HIRAO1, Hirotsugu YAMADA1, 2, Junko HOTCHI1, Shuji HAYASHI1, Mika BANDO2, Susumu NISHIO1, Masami YAMAO1, Yuta TORII1, Takeshi SOEKI2, Masataka SATA1, 2

1徳島大学病院超音波センター, 2徳島大学病院循環器内科

1Ultrasound Examination Center, Tokushima University Hospital, 2Cardiovascular Medicine, Tokushima University Hospital

キーワード :

【背景】
心房細動患者における脳卒中発症リスクの評価に,CHADS2およびCHA2DS2-VAScスコアが用いられている.一方,左房サイズの増大や左心耳内血栓,左心耳血流速度の低下など,心エコー検査で得られる指標と脳卒中との関連についても報告されている.我々は,CHADS2およびCHA2DS2-VAScスコアとこれら心エコー図指標との関連を検討した.
【方法】
当院脳卒中センターに緊急搬送された脳卒中患者のうち,入院中に経食道心エコー検査が施行された連続68例(平均年齢70±13歳,男性43例,女性25例)を対象とした.その内訳は,ラクナ梗塞4例,アテローム血栓性梗塞19例,心原性脳梗塞19例,一過性脳虚血発作10例,その他26例であった.経胸壁心エコー法で二腔および四腔断面からシンプソンン法を用いて最大左房容積を算出し,体表面積で除して左房容積指数(LAAI, ml/m2)を算出した.経食道心エコー法では,最大左心耳血流速度(LAAV, cm/s)を計測した.
【結果】
全例のCHADS2スコアは3.6±1.1,CHA2DS2-VAScスコアは4.8±1.4であった.左心耳血栓を認めた5例のCHADS2スコアは3.8±0.8,CHA2DS2-VAScスコアは5.2±1.6と高値であった.LAAV<25の13例におけるCHA2DS2-VAScスコアは5.5±1.3であり,LAAV≧25の55例における4.6±1.4と比較して有意に大であった(p=0.039).LAVI<30の21例におけるCHADS2スコアは3.0±0.9,CHA2DS2-VAScスコアは4.0±1.3であり,LAVI≧30の47例におけるそれぞれ3.9±1.0,5.1±1.3と比較して有意に大であった(各0.001,p=0.002).CHADS2およびCHA2DS2-VAScスコアが増大するにしたがってLAAVは有意に低下した(図).
【結語】
CHADS2およびCHA2DS2-VAScスコアは,LAAIおよびLAAVと関連していた.両スコアが上がると左心耳血流速度が低下することが判明し,両スコアの増加が脳卒中発症リスクの増大につながる一因であると思われた.