炭 親良, 山崎 直人

Chikayoshi SUMI, Naoto YAMAZAKI

上智大学大学院理工学研究科情報領域

Graduate school of Science and Technology, Information Science, Sophia University

キーワード :

【目的・対象】
我々は，フーリエ変換を通じた高速なエコーデータの生成法を開発している．偏向平面波送波における場合や，古典的な開口面合成においてはモノスタティック型のもの等を報告しており，いずれも，通常ではフーリエ空間において必要とされる補間近似処理を要さない方法にせしめた［1-4等］．マイグレーション処理においても同様である．これらは，高速なエコーイメージングと，高速なずり波伝搬や血流を含む組織変位の高精度な計測イメージングを実現するものである．本稿では，これらを拡張し，まず，モノスタティック型における偏向ダイナミックフォーカシングを報告し，さらに，マルチスタティック型における偏向ダイナミックフォーカシングを報告する．
【方法・結果】
上記のモノスタテッィク処理に偏向処理（ステアリング角度の余弦と正弦）を施す．また，マルチスタティック型では，送信位置に対して複数個存在する受信位置の同一の組み合せから成るエコーデータフレームを生成し，異なる組み合せの各々に対してフーリエ空間において上記の開口面合成処理を行い，それらの処理結果を重ね合せて，逆フーリエ変換を施す．受信開口のチャンネル数の回数の処理でエコーデータを生成でき，いわゆるlow resolutionのエコーデータフレームを生成して重ね合せるよりも高速である．また，このマルチスタティック型を応用し，送信固定フォーカス時におけるダイナミック受信等，他のビームフォーミングについても報告する．主として，シミュレーション（Field IIを用いて，上記の各種送信時の受信エコーデータを生成）と寒天ファントム実験を通じて，実行可能性を確認した結果を報告する．散乱体におけるシミュレーション結果の一例として，Figにマルチスタティックの結果を示す（モノスタティック128素子開口;33，65，129素子受信，素子間隔0.1mm）．
【考察・結論】
以上より，任意直交座標系における任意デジタルビームフォーミングを補間近似なしに高速に処理できる様になった．
【参考文献】
1．通学会超音波研究会資料，pp. 35-38，2012年2月．
2．信学会超音波研究会資料，pp. 55-59，2012年7月．
3．信学会超音波研究会資料，pp. 7-12，2013年6月．
4．Full paper version proc of ITEC 2013（5 pages）．