Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

一般口演 基礎
血流・血管

(S480)

光電脈波計測と超音波計測融合解析による血圧血流同時計測システムによるWI解析

WI Analysis by Simultaneous Analysis System for Blood Pressure and Flow Using Photoplethysmography and Ultrasonic-Measurement-Integrated Simulation

曾根 周作1, 早瀬 敏幸2, 船本 健一2, 白井 敦2

Shusaku SONE1, Toshiyuki HAYASE2, Kenichi FUNAMOTO2, Atsushi SHIRAI2

1東北大学大学院医工学研究科, 2東北大学流体科学研究所

1the Graduate School of Biomedical Engineering, Tohoku University, 2the Institute of Fluid Science, Tohoku University

キーワード :

【目的】
著者らは,循環器系疾患の機序の解明と診断への応用を目的として,光電脈波計測と超音波計測融合シミュレーションによる血圧と血流速度の同時計測システムを開発している[1].本同時計測システムを用いて血圧と血流速度の微分の積からWave Intensity(WI)を求めたが,両者の時相の誤差がWIの値に大きな影響を与えることが問題となっていた[2].本研究では,心電図を超音波診断装置と脈波計測装置に同時に送信することで両者の時相を一旦決定した後[2],PUループで心収縮期の圧力と流速の立ち上がりが一致する性質を用いることにより時相を補正して,Wave Intensity(WI)を求める.
【方法】
解析対象は,23歳男性ボランティアの総頚動脈内の血圧と血流とする.時相を同期させるための心電信号は光電脈波回路と超音波診断装置に同時に送られる.UMIシミュレーション[3]を用いて上流端断面平均流速および血流場を,光電脈波データを用いて血圧波形を得る.超音波リニアプローブによって取得した7心拍分のカラードプラ画像を血流場の解析に,また同時刻での7心拍分の光電脈波データを圧力の解析に用いる.ここで,流速のサンプリングレートは34Hz,圧力のサンプリングレートは200Hzでデータを取得した.血圧波形は血圧計であらかじめ得られた収縮期血圧(118mmHg)および拡張期血圧値(75mmHg)で軟正する.このようにして得られた7心拍分の流速波形と圧力波形をアンサンブル平均し,PUループを作成する.PUループの傾きが線形関係にある時間位置まで流速の時相を時間シフトし,その位置でのWIを求めた.
【結果と考察】
図1に心電,血圧,血流速,血圧と血流速の微分,およびWIの時間変化を示す.前報告[2]に比べ頸動脈部位における特徴的なWI波形を有している.この結果は実際に得られたデータから30ms時間シフトをして得られた結果であり,この30msの時間遅れは超音波診断装置がカラードプラ画像を生成する際に起因していると考えられる.