Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

奨励賞演題
体表臓器 奨励賞

(S458)

頸神経は頸椎レベルで太さが異なる多施設共同前向き頸部超音波研究

Cervical Nerve Root with Different Thickness in Multi Center Prospective Ultrasonic Study

竹内 幹伸1, 神谷 光広1, 若尾 典充1, 平澤 敦彦1, 高木 真子2, 木場 久美子2, 井上 真由利2, 後藤 峰弘2, 高安 正和1

Mikinobu TAKEUCHI1, Mitsuhiro KAMIYA1, Norimitsu WAKAO1, Atsuhiko HIRASAWA1, Mako TAKAGI2, Kumiko KIBA2, Mayuri INOUE2, Minehiro GOTO2, Masakazu TAKAYASU1

1愛知医科大学脊椎脊髄センター, 2愛知医科大学中央臨床検査部

1Spine Center, Aichi Medical University, 2Clinical laboratory Center, Aichi Medical University

キーワード :

頸椎の神経根(頸神経)は,頸髄から分岐した枝であり左右8対(C1-C8)存在する.そのうち感覚/運動の両機能を有する神経根はC5〜C8であり,臨床と深く関係している.各経神経の感覚/運動機能支配領域が異なるように,頸神経の太さも各頸椎レベルで異なるかどうかは分かっていない.そこで今回我々は,頸部超音波技術を用いて各頸神経(C5NR; C5 nerve root, C6NR, C7NR)の断面積を左右,男女で比較した.
【対象と方法】
多施設共同前向き研究で被験者は健常212人である.頸神経のうち運動機能を有するC5,6,7NRの直径/横経を,体表用プローブを用いて同じ測定部位で調べた(図1).各レベルで直径/横経から断面積(直径/2*横経/2*π)を計算した.以下の4点を検討した.
①C5,C6,C7CN断面積の比較 ②各頸神経断面積の左右差 ③各頸神経断面積の男女差.④各神経根断面積と身長の相関性.C8NRについては測定部位の基準化が困難であったため除外した.
【結果】
212人中3人(1.4%)は超音波測定時にランドマークとなるC7 level同定困難であり測定できなかった.男性98人(平均年齢45歳,平均身長171cm),女性111人(平均年齢50歳,平均身長156cm).左C5NR断面積6.3mm2(男6.1mm2,女6.3),右C5NR断面積6.4 mm2(男6.3,女6.6),左C6NR断面積10.7 mm2(男10,女11.3),右C6NR断面積11 mm2(男10.7,女11.1),左C7NR断面積8.8 mm2(男8.8,女8.8),右C7NR断面積8.8 mm2(男8.7,女9.1)だった.①男女ともC6>C7>C5の順に有意に太かった(P<0.01,Friedman test).②各頸神経断面積で左右差はなかった.③各頸神経断面積において男女差はなかった.④各頸神経断面積と身長との相関は無かった.検者4人の測定誤差は0.4mm以内(9.7-17%)だった.
【結論】
頸神経根は各レベルによって感覚/運動支配領域が違うように,神経自体の太さも異なっており,第6頸神経根>第7神経根>第5神経根の順に太くなっていた.