英文誌(2004-)
特別企画 眼科
シンポジウム 眼科1コメディカルによる眼科超音波診断促進のためのガイドライン
(S423)
眼科診療におけるA-mode, B-modeおよびUBMの役割
The role of A-mode, B-mode and UBM in clinical ophthalmologic practice
柊山 剰
Jo FUKIYAMA
柊山医院眼科、宮崎大学医学部眼科
Fukiyama Eye & Ent Clinic, Department of Ophthalmology, Faculty of Medicine, Miyazaki University
キーワード :
現在の眼科領域において通常行われる超音波検査は主にA-mode,B-mode,およびUBM(Ultrasound biomicroscopy超音波生体顕微鏡)である.A-modeは歴史的にみても超音波検査の基本となる対象物からの反射波そのものの表示であるが,本邦では眼軸長の測定さらに白内障手術の際の眼内レンズのパワー決定に主に持いられていて診断的目的では殆ど用いられていない.これに対し,焦点をもつ超音波ビームも用いた深触子で行う2次元のB-modeは眼球および眼窩の診断目的で用いられている.前眼部や中間透光体系の混濁があり,眼底が透見できない場合や眼窩病変の診断の際に特に有用である.ほかの画像診断としてCTおよびMRIの進歩もめざましいが,放射線科に依頼せずに自分で外来で簡単に検査出来る利点が超音波検査にはある.また眼球は他の体の臓器に比べて小さいのでCTおよびMRIではかなりスライス幅を細かくしても病変が捉えられないことがある.また超音波B-modeと比較して器械の大きさゆえのスライス断面の制限がある.UBMはA-, B-modeよりもさらに高い周波数を用いた超音波検査であり,高周波ゆえに起こり易い眼瞼による音響減衰を避けるために眼球の検査には必ず開瞼する必要がある.これにはアイカップと生食水を用いるが,検者および被検者ともに通常,閉瞼状態で行うB-modeよりもやや面倒である.しかしながら高周波ゆえ,B-modeでは得難い前眼部の光学顕微鏡レベルの解像度の映像が得られ,緑内障をはじめ種々の前眼部診断に役立つ画期的検査である.シンポジウムではこれらの検査の概要と超音波像について述べる.