Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 眼科
シンポジウム 眼科1コメディカルによる眼科超音波診断促進のためのガイドライン

(S422)

「眼科領域の画像表示と計測のためのガイドライン」の解説

Examination guide for ultrasonic image presentation and measurement of the ophthalmic region

菅田 安男

Yasuo SUGATA

足立眼科クリニック

Adachi Eye Clinic

キーワード :

平成18年 日本超音波医学会では超音波診断法について,提示された画像の理解を助けるための方向付けを示す作業が行われた.眼球は球形で断層像に解剖指標が少なく,適切な解説がないと解釈に混乱が起きやすい.眼球内外の病変について自由な方向から期待する画像を提示できれば十分であるが,左右の区別,超音波の入射部位や射入方向,周辺の解剖指標を解説スケッチとして並置すれば病変の部位,広がりの理解に有用である.眼部の画像採取に当たっては精緻な構造が感染,損傷に弱く,圧迫によって容易に変形することを意識していなければならない.常用の断層装置は眼球内の画像の質がよくなるよう焦点が設けられているので前方の画像を期待するときは水浸法を用いたり,吸音効果の少ないエチルセルロースをカップリング剤に使うのも有効な工夫である.眼瞼は構成組織のインピーダンスが似ており組織を分別提示することは難しい.また睫毛は強い反射体で画像を乱す原因になる.減衰の著しい高周波診断装置では開瞼して水浸法を用いることが多い.同僚の目を借りて正常眼球の自由な断層像の採取から初め望む病変の理解を深め,良い画像に至るよう訓練しなければならない.疾患の理解が画像情報の採取に当たってきわめて大切な要件である.