Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 甲状腺・副甲状腺
ワークショップ 甲状腺・副甲状腺1甲状腺結節診断におけるドプラエコーの有用性について

(S366)

甲状腺濾胞性腫瘍鑑別におけるPI, RIの意義

Pulsatility and resistance indices of follicular tumors of the thyroid

村上 司

Tsukasa MURAKAMI

野口病院内科

Department of Endocrinology, Noguchi Thyroid Clinic and Hospital Foundation

キーワード :

【目的】
甲状腺濾胞癌(FC)と濾胞腺腫(FA)との鑑別におけるpulsatility index(PI), resistance index(RI)の意義について検討した.
【対象】
2012年6月から2013年12月に手術を行い病理診断が確定したFC 28例,FA 180例.年齢16-88歳(中央値55歳),女性173例,男性35例.結節最大径10mm未満の病変は除外した.
【方法】
術前の超音波検査で得た結節内部血流のPI, RIとエラストグラフィー所見,病理診断とについて検討した.超音波検査には日立HI VISION 900を用いた.統計解析はJMP 8.0.2(SAS Institute Inc., Cary, USA)によった.結果は範囲(中央値)で示した.
【成績】
FC, FAの結節最大径は各々15-62(31)mm, 12-83(32)mmで有意差なし.PIは各々0.60-2.16(1.20),0.36-2.00(1.01), RIは各々0.45-1.00(0.71),0.31-0.94(0.64)でPI, RIともFCで有意(p=0.002,p=0.019)に高値.エラストグラフィーでブルー優位に描出される結節のPI, RIは0.59-2.16(1.15),0.44-1.00(0.70)で,グリーン優位の結節のPI 0.36-2.10(0.93), RI 0.31-0.91(0.61)に比べ各々有意(p=0.0001,p=0.0003)に高値.ROC解析ではPI≧1.33をFCとすると感度42.9%,特異度82.2%,陽性的中率(PPV)27.3%,陰性的中率(NPV)90.2%.RI≧0.77をFCとすると感度46.4%,特異度82.2%,PPV 28.9%,NPV 90.8%.
【考察】
FAに比べFCでPI, RIがより高値であった.エラストグラフィーで硬く見える結節でPI, RIがより高値であった.FCとFAとを鑑別するカットオフ値は既報のものとほぼ同様の値が得られたが,感度が低いことに注意を要すると思われた.