Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 甲状腺・副甲状腺
ワークショップ 甲状腺・副甲状腺1甲状腺結節診断におけるドプラエコーの有用性について

(S365)

甲状腺濾胞性腫瘍診断におけるドプラ検査の臨床的意義

Clinical significance of thyroid color-Doppler imaging for the differential diagnosis for follicular tumors

福成 信博

Nobuhiro FUKUNARI

昭和大学横浜市北部病院外科

Department of Surgery, Showa University School of Medicine, Yokohama Northern Hospital

キーワード :

甲状腺癌の約9割を占める乳頭癌においては,その特徴的なB-mode像より診断は可能であり,日超医診断基準において主所見,複所見として記載されている.超音波機器の進歩に伴い分解能はさらに向上し,より微細な病変も描出可能となり,ドプラ,組織弾性,3D/4Dなど様々なアプリケーションが開発,臨床応用されてきている.その中でもドプラ法は最も普及し繁用されているもののひとつであり,充実性組織であり血流に富み,機能性の病態も出現する甲状腺疾患はドプラ法の良い対象臓器である.しかしながら,ドプラ感度の問題もあり,甲状腺結節良・悪性の鑑別診断には有用ではないという報告もあり,またメーカ間の相違も懸念され,いまだドプラ法に関しては客観的な評価診断基準は作成されていないのが現状である.特徴的な形状,内部,境界部エコー,微細石灰化を呈する乳頭癌と異なり,豊富な腫瘍内部血流が認められる濾胞癌においては,ドプラ法はその診断において最も期待されるべき検査法のひとつである.我々は甲状腺結節の超音波診断として,ドプラ法および組織弾性評価をRoutineに行っており,特に濾胞癌診断においては,腫瘍内部を貫通するような栄養血管の描出,PI>1.0を診断項目に追加し検討している.今後,ドプラ法が普遍的な診断基準に追加されるためには,以下の項目に対する多施設での検討が必要なものと考えている.
1)ドプラ検査における標準的な手技,測定法,注意すべき点
2)メーカ間におけるドプラ感度の相違点
3)腫瘍内血流の評価方法 Vascularityおよび各種Index(PI, RIなど)