Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2014 - Vol.41

Vol.41 No.Supplement

特別企画 甲状腺・副甲状腺
パネルディスカッション 甲状腺・副甲状腺1甲状腺腫瘤と超音波診断 頸動脈エコー,CT,PETなどによる偶発甲状腺腫瘍の取り扱いについて

(S360)

甲状腺結節の疫学と福島での甲状腺検査における甲状腺結節の取り扱い

Epidemiology of thyroid nodules and management of thyroid nodules in Fukushima Health Management Survey

志村 浩己

Hiroki SHIMURA

福島県立医科大学臨床検査医学

Department of Laboratory Medicine, Fukushima Medical University

キーワード :

従来,甲状腺疾患のスクリーニングとして,医師による触診が広く行われており,現在もその重要性に変わりはない.一方,超音波検査による甲状腺検診が人間ドックや集団検診の場で実施されることが近年増加している.さらに,最近の超音波診断装置の進歩により,甲状腺超音波検査の診断能力は上昇しており,特に結節性病変の発見頻度が上昇している.しかし,甲状腺癌は,年余にわたり緩徐な増大を示す事が多く,停滞・退縮する例も少なくない.さらに,剖検では10-30%に甲状腺潜在癌が認められることから,甲状腺超音波検診を行う事により,生涯にわたり臨床的に治療対象にならない癌も検出してしまう可能性が指摘されている.甲状腺超音波検診の実施に当たっては,このような甲状腺癌の特徴を理解した上で有所見者の取り扱い方針をあらかじめ定めて検診を行うことが望ましい.
本発表では,甲状腺偶発腫瘍の取り扱いについて議論する本パネルディスカッションのイントロダクションとして,甲状腺腫瘍の疫学研究のオーバービューおよびそれに基づく甲状腺癌の特徴を紹介するとともに,福島県において行われている若年者対象の甲状腺検査における甲状腺結節の取り扱い方針を紹介させて頂きたい.