英文誌(2004-)
特別企画 甲状腺・副甲状腺
シンポジウム 甲状腺・副甲状腺2超音波で迫る副甲状腺(形態,組織,病態,機能まで)
(S356)
腎不全と副甲状腺機能の関係
The relationship between chronic kidney disease 5D and parathyroid function
角田 隆俊
Takatoshi KAKUTA
東海大学医学部腎内分泌代謝内科
Division of Nephrology, Endocrinology and Metabolism, Tokai University School of Medicine
キーワード :
「慢性腎臓病にともなう骨ミネラル代謝異常(CKD-mineral and bone disorder: CKD-MBD)」
と言う病態の中で最も頻度が高く治療を要するものは高回転骨,線維性骨炎,血管の石灰化,ひいては,心血管合併症となって現れる二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)である.SHPT治療において,問題となるものは単にPTH値やCa, P値だけではない.生命予後を第1に考えたガイドラインも各国で作成され,骨の異常が起こる前に対処することの重要性が考えられている.
一方内科的治療は活性型ビタミンD治療に加え2008年1月から治療ツールとして,Ca受容体作働薬としてシナカルセトが登場し強力に一新された.その結果,内科的治療の限界を判断し,抵抗を示す患者を見極めることがポイントとなった.このセッションではその見極めから副甲状腺摘出術までのエッセンスが語られる.私はシンポジウムに先立ち腎不全と副甲状腺機能の関係(図1)を示し,病態への理解を深めたい.