小来田 幸世

Sachiyo KOGITA

市立池田病院消化器内科

Gastroenterology, Ikeda Municipal Hospital

キーワード :

【目的】
RFAにおけるnavigation systemであるVolume Navigation（GE Healthcare Japan，以下GE）に搭載されているUS画像とCT等のreference画像を重ね合わせるoverlay機能は，病変や背景が不明瞭となる欠点を有する．そこで腫瘍のみを抽出したreference画像を用いてUSとfusionされるextracted-overlay functionを開発し，その有用性について検討した．
【方法】
対象は2012年9月〜2013年2月にextracted-overlay functionを用いてRFAを施行したHCC30症例41結節．Advantage Workstation Volumeshare 4（GE）上でCTやMRのreference画像から腫瘍のみをtraceして抽出し，更に5mmのsafety marginを付加した．元のreference，腫瘍のみ，腫瘍＋safety marginの3種の画像のDICOM dataをそれぞれLOGIQ E9（GE）に読み込むと，各々色調，濃淡を変化させ，単独あるいは組み合わせてUS上でoverlayが可能である．このextracted-overlay functionを治療支援に用い，腫瘍全体，可能ならsafety marginまでをcoverするように焼灼を行った．さらにRFA直後にSonazoid造影US（以下CEUS）下にextracted-overlay functionを用いて効果判定を行い，焼灼marginを（Ⅰ）はみ出し，（Ⅱ）0-5mm，（Ⅲ）5mm以上の3群に分類した．Ⅰ群の場合はⅡまたはⅢ群となるまで追加焼灼し，最終判定結果を治療前後のCT/MR fusion imaging（refernceに使用したmodalityを使用）の判定と比較した．
【結果】
CEUSの判定では2例（4.9％）は深部のため評価困難，その他はⅠ/Ⅱ/Ⅲ群=2/32/5例であった（Ⅰ群の2例は同sessionでの追加焼灼が困難）．CT/MR fusion imagingの判定ではⅠ/Ⅱ/Ⅲ群=5/30/4例で，87.2％が1 sessionで完全焼灼し得たほか，CEUSの判定との一致率は84.6％であり，中等度の一致であった（k coefficient 0.46，P=0.044）．またCEUSで完全焼灼と判定した症例はCT/MR fusion imagingでも91.2％が完全焼灼と判定された．
【考察】
extracted-overlay functionとCEUSの併用によりRFA直後に効果判定を行い，即時に追加焼を行うことで1sessionで高率に完全焼灼が得られた．また精度は完全ではないものの，定量的な効果判定も可能であった．
【結語】
extracted-overlay functionにより簡便・低侵襲なRFA治療支援・効果判定が可能となる．